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1年『おふろばそうじ』【希望と勇気】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『1年「おふろばそうじ」【希望と勇気】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「希望と勇気、努力と強い意志」は、4つ単語が並んでいますね。

①希望
②勇気
③努力
④(強い)意志

道徳っぽい言葉が並んでいます。

1つの教材で4つ全てを扱うことは不可能です。
教材には必ず、重点があります。
その重点がどれなのかを最初に考えることで、教材研究がスムーズにいきます。

多くの言葉が並ぶ内容項目は、『重点』を考えるようにしましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「希望と勇気、努力と強い意志」
1・2年の目標・・・・自分のやるべき勉強や仕事をしっかりと行うこと。

1年生「おふろばそうじ」(日本文教出版)

あらすじ

あきらは毎日、お風呂掃除をしている。

「あきらのおかげで毎日きれいなお風呂に入れて幸せだなあ。」
おじいちゃんがにこにこしながらお風呂から出てきました。

お父さんもお母さんもお姉さんも、「大したもんだ」と言いました。

「寒くなっても、ぼくやるもん。」
大きな声であきらは言いました。

「お風呂場掃除も勉強も、ぼくの大事な仕事なんだもの。みんなやっちゃうよ。」

あきらはぴょんぴょんはねながら言いました。

2 内容項目と教材

この内容項目はそれぞれ前半と後半でペアを作って理解しましょう。
つまり、「希望と勇気」で1セット、「努力と強い意志」で1セットです。

まずは「希望と勇気」について解説します。
人が希望をもつ時というのは、どんな時でしょうか。
☆例えばプロ野球選手になりたい。
☆いつまでも元気に生きたい。
などが、希望の例としてあげられます。

では、勇気をもつ時というのはどんな時でしょうか。
☆勇気を出して好きな人に声をかける。
☆勇気を出して試験に挑戦する。
つまり勇気とは、何かしらの目標に向かう強い気持ちと言えます。

勇気はゴールがあるから発揮できるのです。
そのゴール地点や付近のことを、希望と呼ぶのです。

希望があるから勇気がでる。
希望のない勇気は、ただなりふりかまわず
勢いで行動しているだけです。
それは、道徳的価値が高い行動とは言えません。

続いて、「努力と強い意志」です。
これは「希望と勇気」によく似ています。
努力をしている時はたいてい、
目標に向かって頑張っていることのことを指すはずです。

時々、このような言葉を聞きます。
「あの人は努力家だ。」
仮にその人が努力家だったとしましょう。

「努力家」は、いつの時点をクリアしたらそう言えるのでしょうか。
1回の頑張り? 1週間続けたら努力家?

「いやいや、1年は最低続けないと,努力したとは言えないでしょ。」
と言う人もいそうです。

努力の内容によりますので、一概には言えませんが、
共通しているのは、
『短い期間だけ頑張っても,それは「努力」をしているとは言えない。』
ということです。

努力とは長い期間頑張ることを指します。
その長い期間、気持ちが折れることなく、
頑張り続けることができたのはなぜでしょうか。

自分自身が「目標を絶対に達成するぞ。」と思っていたからでしょう。
つまり、努力とは強い意志によって支えられるものなのです。

このように、「希望と勇気」、「努力と強い意志」は
それぞれ1セットなのです。

教材研究では、
①「希望と勇気」か「努力と強い意志」か、どちらが重点の教材か見極める。
②仮に「希望と勇気」だとしたら、
『希望』はどの人のどの心か、『勇気』はどの人のどの心なのかを考える。
(※「努力と強い意志」でも同じ)
③『希望』『勇気』それぞれについて発問を考える。
という流れに沿って行うと、本質を捉えた授業ができます。

では、「おふろばそうじ」はどちらに当てはまるでしょうか。

あきらは、なにかの目標に向かって努力していると言えます。
つまり、「努力と強い意志」に重点が置かれています。

教材の中では、あきらの目標は明らかになっていません。

ということは、「あきらはなんのために掃除をしているのだろう。」と発問をして、あきらの目標を考える活動は有効でしょう。

目標がなにか、方向がわかればそれに向かう努力も正しいものだ、とストンと理解ができます。

ここで問題になるのは、あきらの目標はなにか、ということです。

なんだと思いますか?

・掃除をして、ほめられること。
・掃除をして、家族が笑顔になること。
・掃除を続けること。
・掃除を続けて自分の力を伸ばすこと。
●掃除を続けてクリスマスにプレゼントを買ってもらうこと。

子どもによって考えが分かれそうですね。
この「目標を考える」活動は、議論が活発になりそうです。

特に、●のように屁理屈な意見を教師が言うことで、子どもは「そんな見方もある」と考えを広げたり、「それはちがう。だって・・・」と反論を展開したりします。

あえて答えは書きませんが、ポイントは「家族愛」の視点も入っていることです。

「家族のためにがんばっている」だけでは不十分です。
それならCの「家族愛、家庭生活の充実」の教材になっているからです。

A自分自身に関することの教材ですから、あきらは自分自身に関する目標をもっているのです。

お風呂場掃除を頑張ることは、あきら自身にどんないいことがあるのか。
そのポイントを外さずに授業を進めましょう。

3 導入

T:教師 C:子ども

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