3年『木の中にバットが見える』【勤労】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『3年「木の中にバットが見える」【勤労】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
今日のテーマは勤労です。
つまり仕事のことですが、
子どもにとっても仕事は
身近なものです。
係の仕事、一人一役、
家庭での家事分担など、
子どもの仕事は
そのほとんどが無償のものですが、
働くことの意味や意義は
大人のそれと変わりません。
仕事とはなんなのか、
考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「勤労、公共の精神」
3・4年の目標・・・・
働くことの大切さを知り、進んでみんなのために働くこと
3年生「木の中にバットが見える」(日本文教出版)
あらすじ
バット職人の久保田五十一(いそかず)さんは、松井秀喜選手やイチロー選手らのバットを作り続けてきました。
久保田さんがバットを作る際に使う「みの」と「かんな」は、まるで久保田さんの手のように動くので、『血の通った』のみとかんなだと言いました。
松井選手から の「重さは変えずに、太くて長いバットを作ってほしい」という注文に応えるために、丁寧にバットを作りました。
かんなで削った木くずは、向こうがすけてみえるほどの薄さでした。
久保田さんも、はじめから名人だったわけではありません
ある選手から、箱ごとバットが送り返されてきたことがありました。
見た目に気を取られ、選手の好みに合ったバットを作れなかったことが原因でした。
久保田さんは木の選び方から見直し、研究をしました。
『木の中にバットが見える』
失敗から久保田さんは学んでいきました。
2014年に引退するまで、久保田さんは55年間で約40万本のバットを作りました。
2 内容項目と教材
仕事をする意義は、いろいろあります。
①仕事の対価をもらう社会的意義
②物を生産するによる文化・生産的意義
③人を助ける貢献的意義
④自分のスキル・知識が向上する自己研鑽的意義
久保田さんは、①〜④のどれに当てはまるのでしょうか。
選ぶとすれば、③の貢献的意義ですよね。
プロ野球選手の一人ひとりの好みに合わせてバットを作っていったのですから。
では、久保田さんの仕事は③だけでしょうか?
他に意味があるとすれば、何番でしょうか?
子どもと考えてみたいですね。
題名にある「木の中にバットが見える」は、どういう意味が込められているのでしょうか?
木はバットの材料になります。
その木を見ただけで、久保田さんはどんなバットになるのか、どの選手に合うバットになるのか、どんな削り方をすればよいのか、ということが見えていることになります。
そして、バットの影が見えるだけでなく、そのバットを使う選手のことまで久保田さんは見えていたのでしょう。
その能力は決して生まれ持った才能ではなく、久保田さんがバット職人として情熱をバットに込め続けた努力の成果でしょう。
バットのこと、木のことを研究し続けたので、木の傾向、バットの傾向などが経験として蓄積されて、材料となる木を見ただけでどんなバットになるか判別でき、いい木を選んでいいバットを作るようになっていったということです。
これは、余計な労力を省くことになりますし、いいバットを効率的に作ることにもなります。
教科書には書かれていませんが、きっと久保田さんは数々の失敗をしたのでしょう。
その失敗にも向き合い、「よりよくしよう」と改善をしたから、バット職人としての腕があがっていったのです。
その結果の1つとして、「木の中にバットが見える」ようになったのです。
決して、『特殊能力を身につけよう』という意味ではなく、
一生懸命仕事に取り組んでいると、いいもの、そうでないものを見分けられるようになる。
失敗や成功を経験して、あきらめずに取り組み続けることで、いい成果が得られるようになる。
このことを教材では気づかせたいのです。
「職人は、超能力者のような人」と結論づけたり感じさせたりすると、
遠くの場所の遠くの存在の人、となって道徳的価値を気づかせることができません。
偉人や有名人の教材は特にそうなりやすいので注意が必要です。
発問例を参考にして、久保田さんをひとりの人間として見て、久保田さんの心に注目できるようにしましょう!
3 導入
T:教師 C:子ども
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