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3年「『おもてなし』ってなあに」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『3年「『おもてなし』ってなあに」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
この内容項目はなんとなくイメージがつきやすいですね。
以前の愛国心や郷土愛といった項目です。

国を愛する心、地域を愛する心、
先人がつくってきた伝統や文化を重んじる。

こう聞くと簡単なようですが、
実際の授業では「自分事」として
どのように捉えさせるかが
大きな壁となります。
「すごいな。自分とは関係ないけど。」
と浅い学びになってしまいがちなところが
この「伝統と文化~」の内容項目の
大きな注意点なのです。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
3・4年の目標・・・・
我が国や郷土の伝統と文化を大切にし、国や郷土を愛する心をもつこと。

3年生「『おもてなし』ってなあに」(日本文教出版)

あらすじ

日本には「おもてなし」という言葉があります。
日本を訪れる外国の人は、「おもてなし」を感じることがあります。

・タクシーの運転手さんが荷物をトランクに積んでくれること。
・新幹線の清掃員さんが手際よく掃除をして、おじぎをして乗客を迎えること。
・和食が小皿に美しく盛りつけされていること。

「相手に気持ちよく過ごしてほしい」という心から生まれた「おもてなし」

わたしたちの身近なところにも、こうした心づかいがありますね。

2 内容項目と教材

この内容項目は、
「伝統を知って、大切にする心を養わないといけない」
「日本の文化について教えて理解させて、日本人としての心を育てないといけない」
などと、高い目標を考えてしまいます。

しかし、実際はそのような高い目標には45分の道徳では到達できません。

いえ、45分で到達すべきでないというべきでしょう。
9年生きてきた3年生が、たった45分の道徳で伝統についての考えを改めることができるはずがないのです。

「伝統を大切にする心を育てる」のではなく、「伝統を大切にする心はどんなものか」を話し合って追い求めるほうが現実的です。

「伝統を大切にする心はどんなものか」というと難しく感じますが、
もっとざっくり言うと、日本の文化に興味をもつということです。

「おもてなし」は、東京オリンピックの招致の際、滝川クリステルさんが「お・も・て・な・し」と動作をつけてスピーチしたことで話題になった言葉ですので、子どもたちも知っていることでしょう。

結論から言うと、「おもてなし」は『思いやりの心』です。

運転手さんも、清掃員さんも、板前さんも、みんな「お客様」のことを考えながら準備をしたり仕事をしたりしています。

自分が準備したものに対して、直接反応を見ることができるときと、そうでないときがあるでしょう。

いずれも、準備をしているときは、お客様の気持ちよく過ごしている姿、喜んでいる姿を想像しているのです。

では、「おもてなし」の心が一番高まっているのは、いつでしょうか?

・準備をしているとき。
・お客様の反応を見たとき。
・お客様が帰ったあと。

子どもたちと話し合ってみたいですね。

「おもてなし」は『思いやりの心』ですが、この内容項目は「親切、思いやり」ではありませんから、
「おもてなしは、思いやりの心が詰まっている」というまとめでは不十分です。

「伝統と文化の尊重」なので、押さえるポイントは、

『日本では昔から、相手のことを大切に思い、その心を行動として表す文化がある。』

です。

「おもてなし」の心は、サービス業に限らず日本人の周りにあふれています。

家庭、学校、教室、地域などで「おもてなし」を探してみるのもいい活動です。

「相手に気持ちよく過ごしてもらう」ことが「おもてなし」なら、学校の掃除や給食当番も「おもてなし」です。

「相手のことを思いやる」ことが「おもてなし」なら、あいさつや、『廊下は歩く』という生活のきまりも、「おもてなし」です。

教科書を飛び出して、「おもてなし」の活動を探してみると、新たな発見があって、「おもてなし」について考えが深まることでしょう!

3 導入

T:教師 C:子ども

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