3年『助かった命』【生命の尊さ】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『3年「助かった命」【生命の尊さ】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
今日の話題は「命」です。
「命は大切」ということは
道徳の授業を受けなくても
子どもはわかっていることです。
では、道徳で命について学習することは
意味のないことなのでしょうか?
決してそんなことはありません。
「命は大切」と漠然とはわかっていても
なぜ大切なのか、ということを
説明することは難しいです。
今日は教材を通して、
命について考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「生命の尊さ」
3・4年の目標・・・・生命の尊さを知り、生命あるものを大切にすること。
3年生「助かった命」(日本文教出版)
あらすじ
1995年1月17日午前5時46分。
大地震が阪神・淡路地方に起きました。
亡くなった人は6400人以上。
つとむは、地震で目を覚ましました。
家族全員で学校に非難している途中、近所の人が「助けてください!息子が倒れた家の下敷きになっています。」と声をかけています。
お父さんは、「お母さんとつとむは学校へ非難しなさい。」と言って、お父さんとお兄ちゃんはその人の家の方に走っていきました。
つとむはお父さんから離れるのはとても不安でした。
つとむは、学校へ非難してくるたくさんの人の中からやっと、お父さんとお兄さんを見つけました。
「あの人は助かったよ。お兄ちゃんもよくがんばったね。」とお父さんは言いました。
お母さんは、目にいっぱい涙をためて、うなずいていました。
2 内容項目と教材
Dの内容項目のポイントは、「無理に言葉にしない」こと。
Dは「感動」「生命の尊さ」「自然愛護」と、抽象的なものばかりです。
無理に言葉にしても、安っぽいものだったり浅い言葉になったりしてしまいます。
だから、まとめのときには、無理に言葉にする必要はありません。
それよりも、すでに知っていることについての理解を深めるようにしましょう。
今回の内容項目「生命の尊さ」の場合、
「命は大事」ということはすでに子どもは知っていることです。
しかし、議論をすることで新たな視点に気付くことで、
「だから、命は大切なんだ」と気付けるようにすることが大切です。
すでにある理解という道を、太くするというイメージで授業を組み立てましょう。
教材を見てみます。
「助かった命」は、阪神・淡路大震災の時期に合わせて、この時期に扱うようになっています。
3学期は防災について考える期間がどの学校にもあると思います。
それは、1.17の阪神淡路大震災や、3.11の東日本大震災の時期に合わせて、
防災について考える機会が増えるからです。
この教材も、そういった防災教育と合わせて扱うと、より効果的ですね。
さて、題名の「助かった命」とは、だれのことを指すのでしょうか。
お父さんと和男兄さんが助けた人のことが浮かびます。
しかし、はたしてそれだけでしょうか?
確かに、お父さんと和男兄さんは、危険を顧みず助けたことはすばらしい行為です。
でも、そもそもこの一家自体が「助かった命」なのではないでしょうか。
地震でたまたま家が倒壊せず、家族全員無事だった。
そのたまたま「助かった命」が、また新たな命を助けています。
助けを求めた近所の人も、「助かった命」です。
「助かった命」が「助かった命」を呼んで、また新たな「助かった命」をつくった。
この命の連鎖が、「生命の尊さ」の授業の核になります。
つとむは、お父さんとお兄さんが助けに行くことで、お母さんと2人で非難することになった。
「離れる」ということが、この災害の中でどれほど不安なことか、その場にいた人でなければ、想像してもしきれません。
お父さんは自分の命を賭けても、人の命を助けることが、家族の不安よりもちょっとだけ大きかったと判断した。だから、お父さんは助けに行った。
その判断を理解したから、つとむはお母さんと避難をしたのです。
しかし、つとむの立場からすると、離れ離れになることはとても不安です。
このときのつとむの複雑な心境を考えてみるのも、大切なポイントですね。
そして、その不安はお母さんも同じでした。
離れ離れになる不安。
無事にお父さんたちが避難所に来れるか不安。
助けた人が助かったか不安。
たくさんの不安を抱えていましたが、
泥だらけになったお父さんたちを見て、
その不安が一気になくなった。
その安堵の涙だったのです。
まとめは後ほど書きますが、こういったまとめはあまりよくありません。
①災害は怖い。だからできるだけ備えよう。
②災害時も自分の命を顧みず助けに行くことが大切。
①は学級活動のようなまとめになっているからです。
②は、自己犠牲を助長するだけだからです。
災害時、自分の命をまず守ることは、避難時の鉄則です。
今回のお父さんのような行動は、ある意味では鉄則から外れた行動なので、手放しに称賛できる行為ではありません。
だからと言ってお父さんの行為を非難する議論も意味がありません。
そうではなく、この教材全体を俯瞰して、それぞれの人の「命」はどんなものか、
そして、それらの「命」はどのようにつながっているかを考えるようにしましょう。
困ったら、目標を思い出しましょう。
生命の尊さを知り、生命あるものを大切にすること。
ですね。
繰り返しますが、自己犠牲を助長してはいけません。
3 導入
T:教師 C:子ども
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