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中学3年「好いとっちゃん、博多」【我が国の伝統と文化の尊重、国を愛する態度】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は
中学3年「好いとっちゃん、博多」【我が国の伝統と文化の尊重、国を愛する態度】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

「我が国の伝統と文化の尊重、国を愛する態度」
この内容項目は、なんとなくイメージがつきやすいですね。
以前の愛国心や郷土愛といった項目です。
国を愛する心、地域を愛する心、
先人がつくってきた伝統や文化を重んじる。
こう聞くと、簡単なようですが、
実際の授業では「自分事」として
どのように捉えさせるかが
大きな壁となります。

「遠くの地域の遠くの人は、
そんな思いをしているんだな。」と
浅い学びになってしまいがちなところが、
この「伝統と文化~」の内容項目の
大きな注意点です。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。


1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度」
目標・・・・・優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するとともに、日本人としての自覚をもって国を愛し、国家及び社会の形成者として、その発展に努めること。

「好いとっちゃん、博多」(光村図書)

あらすじ
福岡市の博多。地域の伝統的なまつり「放生会」でにぎわう筥崎宮。
そこに50人ほど「幕出し」に向かう人達がいた。
昔から伝わる風習だが、昭和初期に途絶えてしまう。

復活させたのが、博多町人文化連盟だ。
そのメンバーの一人が、グラフィックデザイナーの西島伊三雄さんだ。
西島さんは博多で育ち、博多の祭りを楽しみにしていた。

グラフィックデザイナーとして活躍し始めた西島さんは
「故郷に恩返しがしたい」と思うようになった。

西島さんは福岡市の地下鉄のシンボルマークを制作した。
マークをデザインする駅がある土地に足を運び、イメージを膨らませて
1年をかけて完成させた。

「石鹸のように 我が身を溶かして 周りの人に尽くせたら」
いつも西島さんは話していた。

2 内容項目と教材

・この内容項目では、目標にあるとおり、
①優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献する
②日本人としての自覚をもつ
というステップで進めるとよいでしょう。

・しかし、気を付けなければならないことは、
「遠い地域、遠いところで、すごい人がいたんだ」と
自分ごととはかけ離れた理解で終わってしまうと、
学びの浅い授業になってしまうことです。

・浅い学びにならないために、
教材と自分の郷土の共通点を見つけたり、
自分の郷土を思う心とはなにかを考えたりして、
自分ごととして考えられるように
抽象化した事実を抜き出すことが必要です。

・博多が舞台の教材ですが、
自分の地域に置き換えて考えることが大切です。

・この教材の根本にあるものは、
博多の人々、西島さんの「郷土をよりよくしたい」という思いです。

一度なくなった「幕出し」を復活させたり、
自分のできることで町に貢献したりしています。

・行動をする心の原動力はなにか。
やはり、「郷土をよりよくしたい」という思いでしょう。
たまたま、この教材では「祭り」と「シンボルマーク」でしたが、
郷土をよりよくする方法は地域によって様々です。

・どの地域でも、必ず尽力した先人はいます。
また、教科書に載るレベルの立派な人でなくても、
家族や近所の人も、地域の先人と言えます。
身近な清掃活動や町内行事も、
郷土を愛する心からきていると広義では言えます。

・前提を飛ばしましたが、
ここでいう「地域」は、どの範囲でも構いません。
☆地区単位
☆学区単位
☆市町村単位
☆都道府県単位
☆ブロック地区単位
☆国単位

区切り方は様々です。
子どもの実態に合わせて、
考えやすい区切りで授業を展開しましょう。

3 導入

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