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5年『ヘレンと共に』【希望と勇気】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『5年「ヘレンと共に」【希望と勇気】の授業はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

希望をもつ。
勇気がわいてくる。
努力は裏切らない。
などなど、
今日の内容項目を扱った
名言は世の中にたくさんあります。

ということは、
そこに道徳的要素がたくさん詰まっている!
ということですね。

でも、
希望と勇気の関係って?
努力と強い意志はどうちがう?
と聞かれると、
改めて考えたことはないので、
「うーん・・・」となると思います。

今日は、「希望と勇気、努力と強い意志」について
じっくり考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「希望と勇気、努力と強い意志」
5・6年の目標・・・・
より高い目標を立て、希望と勇気をもち、
困難があってもくじけずに努力して物事をやり抜くこと。

5年生「ヘレンと共に -アニー・サリバン-」
(日本文教出版)

「ヘレンと共に -アニー・サリバン-」あらすじ

アニー・サリバンは、生まれつき視力が弱く、
手術をして視力を取り戻しました。

20才のとき、目・耳・口の不自由な子どもの
家庭教師になってほしいと依頼があります。
その子どもは、ヘレン・ケラー。

初めて会ったときからわがままだったヘレンに対して、
小屋を作って一緒に住んだり、
厳しく教えたりしました。

サリバンは、指話法という方法をヘレンに何度も根気よく教えました。
ある日、井戸水を触らせて、WATERと手に書きました。
ヘレンは、体験を通してWATERを理解し、
強い自信が生まれました。

それから2人は、次々と物の名前を覚え、
ヘレンは大学にまで進学しました。

多くの人からヘレンは、「光の天使」と呼ばれました。

2 内容項目と教材

・これはそれぞれ前半と後半でペアを作って理解しましょう。
つまり、「希望と勇気」で1セット、「努力と強い意志」で1セットです。

・まずは「希望と勇気」について解説します。
人が希望をもつ時というのは、どんな時でしょうか。
☆例えばプロ野球選手になりたい、
☆いつまでも元気に生きたい
などが、希望の例としてあげられます。

・では、勇気をもつ時というのはどんな時でしょうか。
☆勇気を出して好きな人に声をかける。
☆勇気を出して試験に挑戦する。
・つまり勇気とは、何かしらの目標に向かう強い気持ちと言えます。

・勇気はゴールがあるから発揮できるのです。
そのゴール地点や付近のことを、希望と呼ぶのです。

・希望があるから勇気がでる。
希望のない勇気は、ただなりふりかまわず
勢いで行動しているだけです。
それは、道徳的価値が高い行動とは言えません。

・続いて、「努力と強い意志」です。
これは「希望と勇気」によく似ています。
努力をしている時はたいてい、
目標に向かって頑張っていることのことを指すはずです。

・時々、このような言葉を聞きます。
「あの人は努力家だ。」
仮にその人が努力家だったとしましょう。

・それは、いつの時点でそう言えるのでしょうか。
1回の頑張り? 1週間続けたら努力家?

・「いやいや、1年は最低続けないと,努力したとは言えないでしょ。」
と言う人もいそうです。

・努力の内容によりますので、一概には言えませんが、
共通しているのは、
『短い期間だけ頑張っても,それは「努力」をしているとは言えない。』
ということです。

・努力とは長い期間頑張ることを指します。
その長い期間、気持ちが折れることなく、
頑張り続けることができたのはなぜでしょうか。

・自分自身が「目標を絶対に達成するぞ。」と思っていたからでしょう。
つまり、努力とは強い意志によって支えられるものなのです。

・このように、「希望と勇気」、「努力と強い意志」は
それぞれ1セットなのです。

・教材研究では、
①「希望と勇気」か「努力と強い意志」か、どちらが重点の教材か見極める。
②仮に「希望と勇気」だとしたら、
『希望』はどの人のどの心か、『勇気』はどの人のどの心なのかを考える。
(※「努力と強い意志」でも同じ)
③『希望』『勇気』それぞれについて発問を考える。
という流れに沿って行うと、本質を捉えた授業ができます。


・では、「ヘレンと共に」は、
「希望と勇気」「努力と強い意志」のどちらでしょうか?
どちらに重きを置いても、授業は成立しそうですね。

・今回は、サリバン先生の「努力と強い意志」に
焦点を当てて授業を組み立てることにします。

・サリバン先生は、努力をしたでしょうか。
もちろんYesですね。
ヘレンのために、献身的に努力をしているのは、
自明のことです。

・では、サリバン先生は、なにを目標にしたから
「強い意志」があったのでしょうか。

・『ヘレンに立派な大人になってほしい』と
思い浮かぶでしょうが、おしいです。
もうちょっと踏み込みたいですね。

・「立派な大人」ってどんな大人でしょうか。
わがままを言わない?
自分のことは自分でできる?
三重苦のヘレンが人並みに生活をできる?
いい大学を出て、人のために働く?

・「立派な大人」の定義をはっきりさせると、
その過程の「努力」の正しい在り方が見えてきそうです。


・また、中心場面として、
井戸水を触ってWATERと書く場面があがるでしょうが、
この一部分だけを切り取っても、
あまり道徳的な価値は深まりません。

・それまでのヘレンの努力の積み重ね、
サリバン先生の努力の積み重ね、
それぞれの目標に向けての思いが、
全て1つにつながった一瞬の場面でしかないからです。

・それに、この場面がゴールではありません。
むしろ井戸水の場面はスタート地点。
ここから、2人は一心同体になって勉強を続け、
大学を卒業して、多くの人の役に立つ人になったのです。

・物語全体をとおして、サリバン先生の努力の過程を
子どもとともに考える展開がよいでしょう。

・また、サリバン先生だけでなく、
視点を変えてヘレンの努力にも目を向けるのも
大切です。
ヘレンの視点からサリバン先生の存在を考えることで、
またサリバン先生の見方が広がります。

・「視点を限定しない」は授業展開と発問を考える上で
基本中の基本ですよ!
『発問の視点は1つに絞りなさい』と指導する人がいたら、
それは古い道徳ですので、無視して構いません。

・そんな人には、わたしの記事を読んでもらってください。
道徳の発問を考えるために大切な、たった1つの考え方


・このような偉人の作品は、
とにかく自分事として考えることが難しいです。
遠い国の遠い時代の、すごい人の出来事だ
という思いから抜け出せないことが、
いつも課題としてあがります。

・それを防ぐために、
教科書に書かれていないことを考えたり、
批判的な思考を促したりする、という
方法があります。
いずれも、発問によって促せます。

・特に、ヘレン・ケラーは目、耳、口が不自由という
想像を遙かに超える三重苦の人です。
自分事として考えるために、
以下の発問を参考にしてくださいね!


3 導入

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