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2024_0626_本読み

<1190字>
冒頭の写真:
先日、暗渠の緑道をジョギングしてて、久々にアオダイショウに会いました。道をよこぎって、ツツジの植え込みの中に入って、音もなく器用に登っていく様子が美しかったです。鱗の模様も、滑らかに蛇行する動きも、なにか幾何学みたいなものを感じてしまいました。


6月26日(水)は以下を読みました。


『巨匠とマルガリータ』 
ブルガーコフ 著

集英社 世界の文学15 ロシア Ⅲ

ヴォランドのおかげで、元の愛の巣である地下室に二人して戻ることができた「巨匠」とマルガリータ。めでたしめでたし、ですが、当然そうは終わらず、恋人同士らしく、もう別れようとか、いろいろやりあいます。そこにヴォランド一味のアザゼッロが現れました。いよいよ、結末が近づいてきているのを感じます。

(音読した人:山崎)





『犬が星見た』 武田百合子 著

岩波文庫

本文読了しました。

最後までリアルな人間的な描写があふれていました。

日本でちゃんと仕事をしているであろう友人「丸山眞男」を肴に〈キャッキャッと笑声をあげ〉酒を飲む、帰国の機内の泰淳さんと竹内さん。

最後のしめは、アンカレジの売店の日本女性たち。
お客である日本ビジネスマンがいるときは嬌声をあげて愛想をふりまいていたのに、彼らが視界から消えたとたん〈ばったり口をつぐん〉で〈音をたてて椅子をひき〉濃い化粧の〈口紅を塗り直し〉、〈飽き飽きしているようにみえた。〉という文で、この本は終わります。
ちょっと嫌だけど人間こうだよなといういつもの描写に、旅が終わって閑散とする気分が入り混じるところに、味わいを感じました。

(音読した人:きよもとさん)





『漱石・子規往復書簡集』 和田 茂樹 (編集) 

岩波文庫

子規退院して漱石のいるうちの離れに移り、え、では、どこに手紙送っていたの?
と後から思いました。
ともかく、みんなが楽しそう。漱石もこのときは句会に毎度参加して、楽しそうで、さしずめ「躁鬱」の「躁」だったのかも。
この「句会が楽しそう」は芭蕉にも子規にも感じますが、そういうのって現代でいったらどんななのか、なかなか思い浮かばない、ときよもとさん。


(音読した人:めいさん)





『芭蕉七部集』  中村俊定 校注

岩波文庫
『猿蓑』
☆                   
〈 つみすてて踏付ふみつけがたき若な哉 路通 〉

路通は蕉門の奇人だったんですね。最初、乞食だった、とも書いてありました。蕉門はいろんな人が居ますね。お役人、医者、部屋住の武士。
そして、旅にでてしまう芭蕉はそういう人たちにとってすごくかっこいい存在だったんだろうな、と思いました。
食べようと思えば食べられる野草を、摘みはするものの食べず、捨てるけれども踏みつけにはできない、という微妙な感じが、路通らしいのだろうと思ったものの、よくはわかりません。


(音読した人:山崎)

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