『甦るフレーブニコフ』音読記録その7

〈 2342字 〉

『甦るフレーブニコフ』音読記録 は、
2020年末〜2021年初めにzoomで音読した毎回の感想を改めてまとめたものです。

著者の亀山郁夫先生のzoom講義(2022年12月4日(日)10時から12時、ヒッポファミリークラブ主催)がありますので、これを機会に、と思いアップしています。

12月4日までにアップし終わるように、毎日、4日分程度アップしていこうと思います。

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2020年11月28日(土)  第11章 牧歌とユートピア
                              「ユートピア幻想」(227〜237ページ)

今日のところ、またまた声を出すこと自体楽しかったです。

印象に残ったのは、 主脈じゃないとこかもなのですが、 芸術は科学に先行して夢をみてもいいんじゃないか、という例として、3000年とか前に、すでに「空飛ぶ絨毯」は物語に登場していた、というのが書いてありました。

私が近頃、急に思うようになった夢想は、人の一人一人の中にある「ことばの起こってくるところ」は、すべて(量子力学で電子がそうであるように)「完全に同じもの」というものです。「ことばの起こってくるところ」は、生成文法からイメージしたことばですけど、今までのことばでいうと「こころ」のことではないか、と思います。

全ての人間の「こころ」が完全に同じである、って面白い妄想でしょ?(思わせぶりにしか書けないのですが、今のところ。自分でもまだうまく説明できない。。)

これまでも時々、そして今日の文章にも出てくる、フレーブニコフの「時間の法則」の発見、ということば。それも、なんか関係ありそうに感じています。

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「時間の法則」ってなんだったっけ?

「創造のふるさとは未来にある。」ということばがこだましてきます。

未来はことばにしたらすでに実現している。。。それは、創造の風が未来から吹いている、ということか。

榊原さんに「またこいよ」と言われたら、その時、すでに懐かしかったな、と思い出した。

脈絡を今はまだ明快にできてないがメモしておきました。
(2022年11月15日付記)


2020年11月29日(日) 第12章 奇跡の年
                               「未来派の動向」(239〜245ページ)

未来派の詩人のグループの様子が1913年を中心として、紹介されました。

フレーブニコフらのギレヤ派=立体未来派(クボ・フトゥリスト)、自我未来派、「詩の中二階」派、「遠心分離機」。

言いたいことを言って、乱闘も辞さないような、雰囲気が伝わって来ました。

読んだあと、たにがきさんが、ロシアって、街の壁に詩を書いたりするところがあって、その詩を、みんながあれがいいとかこれがいいとか言い合っていたりするのですって。
また、好きな詩の一二篇は誰もが暗唱できたりするくらい、詩を声にだして楽しむのが当たり前な文化がある、んだそうです。

また、ロシアの雰囲気の一つを表すことばに「ガリアーチ」っていうのがあるそうです。
熱い、燃える、みたいな意味らしいです。

それを聞くと、山崎も、より「熱く」読んでみようか、と思いました。そんな「雰囲気、感じ」を話に聞いただけで、ずいぶん想像が実体感を持って声になっていきそうです。
(詩の部分は、2、3回読んでみようかなと思いました。いやいや、やはり、初見での緊張感のままに一発で読もうとして、間違いながらも「熱く」読むのがいいかな。。)

2020年11月30日(月) 第12章 奇跡の年
        「死と四次元」(245〜252ページ)

栄光の年1913年の時期の、詩人仲間4人の死がフレーブニコフに深刻な影響を与えたであろうことが語られていました。

また
〈マチューシンはマレーヴィチ、クルチョーヌイフにフレーブニコフを加え、ウスペンスキーの四次元理論を創造的に再構築するいくつかのプロジェクトを実現させようとしていた〉
そうです。

なんとなく聞き憶えがある人名を検索すると、ああ、この人ね、と、学生のころユングとか読んでオカルト的なものにも興味を持っていたのを思い出しました(入り口はビートルズのサイケデリックになった時期の音楽だったかな、多分)。

四次元も検索して、合わせて、ついつい読み耽ってしまいました。

2020年12月2日(水) 第12章 奇跡の年
        「太陽の征服」(252〜256ページ)


栄光の年1913年。12月に『太陽の征服』が上演されました。

〈未来派オペラ『太陽の征服』は二幕六場からなるオペラ形式のスラップスティックであり、〉

〈アナクロニズムの手法やザーウミをふんだんに駆使し、いたるところで脱線をくりかえすこの劇は、むしろ民衆的な笑いにつつまれたナンセンス・コメディ〉

〈世界初の抽象演劇ないし不条理劇〉

などの説明が並んでいます。

山崎は「アヴァンギャルド」って聞いたら、難解で一部の人にしか理解できないようなものを想像していたけれども、 これは違っているみたいです。この革命前のロシアの空気ってどんなだったのかな、と思いました。

〈劇場は満員だった〉
〈……、弁護士、国会議員、だれもがみな初演にありつこうと手を尽くした〉

そして、フレーブニコフによる「前口上」は、 未来人による、ほとんど解読不能に近い造語でできており、それは初演でクルチョーヌイフによって朗読され、

〈「鳴りやまぬ大爆笑」をもって迎えられたとリーフシッツは証言する〉

とのことでした。

どんなふうだったんだろう、ザーウミってどんななんだろう、と、今のところは全く想像外のところに、思いだけは馳せました。

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