『甦るフレーブニコフ』音読記録その13

〈 1285字 〉

『甦るフレーブニコフ』音読記録 は、
2020年末〜2021年初めにzoomで音読した毎回の感想を改めて書き出したものです。

著者の亀山郁夫先生のzoom講義(2022年12月4日(日)10時から12時、ヒッポファミリークラブ主催)がありますので、これを機会に、と思いアップしています。

12月4日までにアップし終わるように、毎日、4日分程度アップしていこうと思います。

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2021年1月11日(月) 第21章 調和世界
「虚数」の意味」「ラドミール」
(425〜438ページ)

虚数っていうアイデアがすごいなーと思ったことがあったのでそこは単純に共感しました。
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もうちょっとなんか書いたと思うのですが、残ってるのは上の2行だけ。「ラドミール」について何も書いてませんね。
今読んで、

〈 では「ラドミール」とは何か。「ラド(лад )」、それはすなわち調和であり、「ミール(мир)」は世界ないしは平和を意味する。フレーブニコフはここで、ライプニッツ、フーリエの「普遍的調和」を念頭に置いているが、ドストエフスキー的、あるいはザミャーチン的アイロニーは一切入りこんでこない。 〉

という記述を見つけました。1920年台のソヴィエトが、瞬間夢見た、科学万能の未来、とイメージしました。(2022年11月21日追記)


2021年1月13日(水) 第21章 調和世界
「火の国への旅」
(439〜444ページ)

火の国、とは、アゼルバイジャンの首都バクーのこと。
べーの音(ロシアの文字ならб)を重ねた詩。

〈ちなみに彼の詩的語源学によりば、бの音が表す色彩は「赤」であり、その意味論は「異なる方向から直線に沿って運動する二つの点の出会い」、「それらの点での闘争、任意の点の他の点の打撃による転回」を示すとされる。〉

2021年1月14日(木) 第22章 イランの黄金
「神々の眼」
(446〜455ページ)

〈ギーラーン共和国支援のためにイランへと向かうヴォルガ・カスピ艦隊の一員としてフレーブニコフがバクーからカスピ海を渡りエンゼリーに入ったのは、それから約半年後の1921年4月のことである。〉

兵ではないとはいえ、軍の一員として同行しているにもかかわらず、とても自由な行動が許されていて、前の従軍体験とは全然違った雰囲気です。
そして、まわりも南国のけはいです。

2021年1月16日(土) 第22章 イランの黄金
「アダムへの憧憬」
(455〜466ページ)

束の間の、イラン滞在は、祝祭的で、喜びに満ちつつも、ロシアでは(あるいはヨーロッパでも)考えられないほど、閉じ込められているイラン女性のことが、詩に反映されている様子がわかりました。

山崎としては、そこになじみがないだけに、カスピ海世界をすごくエキゾチックに感じています。

カスピ海は、
一方に本書冒頭のアストラハンの、ボルガ河口の幾百もの入江があり、
もう一方は、イランだということに驚きます。
そして、その遥か先のインドを夢見てる詩人のことを思います。

日本からインドを思うとのはずいぶんと違いそうだなぁ、と。

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