『甦るフレーブニコフ』音読記録その10

〈 1470字 〉

『甦るフレーブニコフ』音読記録 は、
2020年末〜2021年初めにzoomで音読した毎回の感想を改めて書き出したものです。

著者の亀山郁夫先生のzoom講義(2022年12月4日(日)10時から12時、ヒッポファミリークラブ主催)がありますので、これを機会に、と思いアップしています。

12月4日までにアップし終わるように、毎日、4日分程度アップしていこうと思います。

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2020年12月17日(木)  第16章 二人の日本人への手紙
「鼠とりのなかの戦争」
(325〜333ージ)

フレーブニコフの1916年の従軍体験。

〈兵士としてぼくは完全にゼロです… …。〉

と書簡に書いたとおりに、精神的に大変な苦痛を味わったのでした。 ここ、何かを書きだすのに、難しさを感じました。一昨日のことをやっと今書いてます。

〈後期の代表作の一つ『鼠とりのなかの戦争』は、〉

〈「超小説」以外の既成のジャンルに還元することがとうてい不可能と思えるほどポリフォニックなざわめきに満ちている。〉

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ポリフォニックなざわめき、は実際にこの『超小説』の原語の朗読を味わうしかないですね(フレーブニコフの生み出しているらしい統合スラヴ語みたいなものなのか。)
例えば音楽でも、
スクリャービンはすぐに好きになれたけれど、ストラヴィンスキーの『春の祭典』とか、まだ全然なじめていないです。フレーブニコフも聞き込んでいく必要があるものだろうなぁ、と想像してます。
(2022年11月18日追記)


2020年12月19日(土) 第16章 二人の日本人への手紙
「火星人のラッパ」
(333〜340ージ)

反戦ユートピア妄想が、ぐいぐいと作られていきます。

詩人(というか文を書く人)ってどういうことなのかな、と思いました。誰が世界を変えるのか?って思いました。

アインシュタインが相対性原理を、ハイゼンベルクが不確定性原理をみつけて、そして原子力を見つけて解き放って、世界は変わってしまった、と言うこともできると思います。

フレーブニコフの妄想も、やっぱり世界を変える力を持っているから、20世紀最大の詩人、と言われるのかな、と思ったりもします。ことば、って、どういうことなんだろうか。表面的なものではなく、奥底にとどいてしまうことば。

2020年12月20日(日) 第16章 二人の日本人への手紙
「彼方へ、彼方へ、イザナギが」
(340〜346ージ)

1916年、第一次世界大戦が泥沼化し、東部戦線で苦境にたつロシアは日本と日露協約を結び、事実上同盟関係になりました。

これを記念して國民新聞(徳富蘇峰が主幹)が企画したのが「日本青年より露国青年に与うる書」という懸賞文でした。

この入選者の文はロシア語訳されロシアの新聞に掲載され、それを読み、共感を感じたフレーブニコフが、アジアの青年の連帯を訴える『二人の日本人への手紙』と題する文を書く、という流れです。

「対馬」(1905年の日本海海戦)で恐ろしい鬼神であった、日本のイメージは、10年以上の時を経て、大きく変わっていきました。

2020年12月21日(月) 第17章 ネヴァ川の十月
「ギレヤ派の「十月」
(347〜355ページ)

ギレヤ派と政治との関わりが、どうなのか、が、書いてあるのですが、歴史にうとい山崎には、どういう意味なのかが、驚くほどわかりません。(音読後に、これ書きながら読んでもやっぱりよくわからない。。。)ともかくギレヤ派の人々それぞれの、この1917年ロシア革命時の、消息が書かれていました。

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