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公立病院改革3-38【選定委員の決定】〈2006年〉東北170床 公立F病院

選定委員会などの人選プロセスは、僕は一切分からなかったが。
現地の慣行と、我がボスの意見を折衷する形で、委員の面々が決定した。

・委員長 J准教授(10年間の行政実務の経験あり、行政研究者)

・委員  T氏(当事務所「顧問」元・厚生労働省部課長、国立病院運営 経験者)

・委員  地元A市側 A市の部長

・委員  地元B市側 B市の課長

非常にシンプルな人選であった。

J准教授は、本件F病院コンサル業務の初期に、様々な形で仕事に携わっていただいた。
彼は専門が地方自治体だから、喜んで就任してくださった。

委員になったT氏は、ボスが事務所の顧問をお願いしていた元・役人の方だ。

自治体の役人社会では、市に対しての県、自治体に対しての国など、事務分掌の上位機関の人には逆らえない雰囲気がある。
それが、医療行政の中心にいた国の元・役人となればなおさらで、自治体における決め事に当たっての説得力も段違いだ。

T氏は、日頃は僕の事務所で「顧問」として週に2、3回通っていらした。
国立病院の再編成で陣頭指揮をとったご経験もあり、病院運営、こと病院の改廃についての造詣が深い。

そんな方だから、当然、医療行政にあまりに詳しく、我々とのレベル差がすごい。
何を聞いても呆れられてしまうし、
「あんた、そんなことも知らないでコンサルとか言ってるのか!」
と毎回ド正論を当てられてしまうので、最初は近づき難かった。

しかしこの業務を境に、以後数年間、僕は好んでみっちりと教えを請うようになった。
文章の添削から病院改革の方針作りまで、厳しくご指導くださった。
教科書には書いていない、医療制度の行政実務での取扱いや大学医局のメカニズムなど、存分に教えていただいた。

いまも年賀状での交流だけは続いているが、T氏と過ごした時間もまた、僕の中で黄金の時間であった。

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