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つながらない覚悟

2023年12月5日
 先週の木曜日から日曜日まで一人で過ごした。今日、久しぶりに孫たちと会った。三歳の孫が会うなり、「お腹はもう痛くなくなった?」とたずねてくれる。孫娘はダイニングに入ると「大丈夫?」と駆けつけてきて、手を引き椅子にすわらせてくれる。

『今日もあなたに太陽を〜精神科ナースのダイアリー〜』の中にこんなシーンがある。
親の借金を肩代わりするなどひどい目に遭っているミン・ドゥルレ看護師が、つきあっているファン・ヨファン医師に、医師にも迷惑がかかるから別れようという。その親は医師に金を無心する。
 医師は、看護師にあなたの病名は「母親」だという。
「この世界にどんな親が自分の子どもにこんな扱いをするするというのですか?」
「私の母だから」
「ドゥルレ先生、お母さんを捨てなさい。ドゥルレ先生はもっと大切にされる資格のある人だから。私が気づかせてあげます」
 カウンセリングをしていた若い人から親がどんなにひどい人かという話を聞くことはよくあった。うっかり、ひどい親だといおうものなら、あの親にもいいところがあると反発される。
 「捨てる」というのは文字通りの意味でなくても、親に振り回されることなく自分の人生を生きるという意味であると考えてもいい。医師は後に「捨てる」というのは、「気を遣わない」という意味であると看護師に説明している。
 16日に刊行する『つながらない覚悟』は、親子関係だけではないが、親だからという理由でつながることを強いられるというようなことがある時に、つながらない勇気を持ってほしいと思って書いた。人とつながらないのがいっているのではなく、真のつながりを形成することはできる。そのためには今の関係を見直す必要がある。これまでの関係がどんなものあったとしても、親ともよい関係を築くことはできる。


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