「cafe634」 コーヒーラベル制作
大田区は洗足池にあるカフェ「cafe634」さんの新商品「自家焙煎コーヒー」のラベルを作成しました。
634さんは、本当に何もかもが美味しいんです。そして、コンセプトが「日常にちょっとした幸せを」である通り、その美味しさのベクトルはあくまで"日常"の延長線上。
「今日はもう自分でご飯作りたくない…美味しいもの食べたい…でもイタリアンやバーガーとかはちょっと違う…食べても罪悪感の無いもの…それでいてちょっと贅沢した感も欲しい…」
なんて我儘な気分の日には、私は634さんに逃げ込みます。そしてランチセットのコーヒーをテイクアウトにしてもらい、ご飯でホッとした後はコーヒー片手に帰宅し、また仕事を頑張るのです。
1. ご依頼内容
コロナ禍で634さんもテイクアウト営業に切り替えたりと大変そうだった、とある春の日。「7月から自家焙煎のコーヒーを販売したい。ラベルのデザインをお願い出来ませんか」とお声がけ頂きました。
奥様とはインスタで繋がっていたとはいえ、ささやかにUPしていた仕事を見てくださっていたんだなと嬉しく…大好きなお店の力になれるのなら喜んで!とお引き受けしました。
具体的なご依頼内容は…
「僕らは福岡にあるcoffee countyというお店のラベルが好きで。これをお手本にしつつ、2〜3色の色使いでコーヒー豆の浅煎り・深煎りや、634店内に差し込む陽射しや開放的な雰囲気を表現できればと考えています」
なるほどなるほど。coffee countyさん、素敵なアートワークですね。
「この前、家の屋上から見えた空の色が、浅煎りのカラーイメージにとても近かったので参考までにお送りします」
なるほどなるほど。私もこんな色の空は大好きです。
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で、できるかな。。。😓
私は基本、自分で絵は描きません。受験でデッサンの勉強はしたので描けない事はないのですが、アートディレクターの私が私の絵は採用したくないと言っている。
かと言ってイラストレーターさんに発注できる規模の仕事ではないので…なんとか自分でやってみよう。
2. 制作過程
店主さんのイメージでは
◉浅煎りイメージ 「爽やか・甘酸っぱい・フルーティー・朝」
◉中深煎りイメージ 「コク・甘味・キャラメル・チョコレート・夜」
だそうで、微妙な色表現が重要となります。
「形」については、すぐに浮かんだイメージがありました。
634さんは、入口側が全面ガラス戸になっています。
時間帯によってはこんな感じに光がお店に差し込む(のでは、という私のイメージ)。
(汚いですがあくまでイメージです)
この感じをアートワークに落とし込めないか。
描画はPhotoshopのブラシや手描きテイストのデジタル素材でもいけそうだけれど、Photoshopスキルの低い私の場合は「実際に描く方が早い」と判断し、久々に絵筆を握る事に。
"ぺんてる エフ水彩 12色"でオーダーの微妙な色味を出せるのかな…😓
「色ムラ」「滲み」のニュアンスが出るように絵の具を薄めに溶いて乗せていく。ちなみに紙はなるべく質感を感じさせたく「マーメイド」を選びました。
描いたパーツをスキャニングして、重ねていきます。
色ムラがある箇所は積極的に使い、強調する。「乗算」で重ねて現れる色を効果的に使う。淡く見せたい色は透明度で調整。
3. 完成
何パターンか作成し、決定した案がこちら。
上が朝の爽やかな光のイメージ。下は夜にお店の照明を落とした後に、通りの明かりがこんな風に差し込むかな?というイメージ。
直線をベースに、丸みのある形も一つ重ねてアクセントにしました。
我ながら気に入ってます。こんなストライプのスカートがあったら欲しい。
このアートワークにロゴ(既存のもの)を重ね、情報欄をつけ、シール印刷。パッケージとしての完成品はこちら!
cafe634さんの自家焙煎コーヒー、軽やかな「浅煎り」&コクのある「中深煎り」。ブレンド名「空」「山」も、アウトドア好きなオーナーさんらしいワードで素敵です。
皆様も洗足池にお越しの際はぜひ!
席数を減らして通常営業を再開した634さん、お店に行けない時はテイクアウトのお弁当とこのコーヒーで、私も自宅で頑張ります。
graphic designer
kishiko oomi
http://k-oomi.com
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