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2019年1月の記事一覧
フレグランス・レッスン
最近、#10yearschallenge というハッシュタグが流行っているけれど、そういえば私がはじめて香りによる官能を目の当たりにしたのは、ちょうど10年前のこと。
冬のある夜、ボーイフレンドのベッドで毛布に包まって部屋を見渡していたら、マホガニーの棚の上に冷たく佇む存在にぶつかって視線が止まった。高さ10センチにも満たない引き算の極限とでもいうようなスクエアな黒い瓶は、香水瓶だという確証を
もしも美人に嫉妬したら
ボーイフレンドが他の女の子の容貌を褒めるのは、そんなに気持ちが良いものでは無い。
百歩譲って女優やモデルならば「そうよね、綺麗よね」と頷ける。だけれど、プライべートな女友達に対する賞賛を聞くのは、まるで胃袋の奥に埋まった虫歯が疼くみたいに居心地の悪いシクつきを感じずにはいられない。
「彼女は誰が見ても美人」「あいつも彼女の綺麗さに驚いていた」
もちろん理想は、つまらない言葉を軽くいなしてしまう