私はあなたに魅力的だと思われたい
初対面の人に言われた中で最も印象的だったひと言。もう十年以上も前のことになるのに鮮明に覚えている。
「君は引っかかりの無い、つまらない顔をしているね」
以来私はふとした瞬間、鏡越しに映る自分の顔に「つまらない顔」というラベルを貼ってしまうようになった。
決して自分の顔が嫌いな訳ではない。ただ取り立てて特徴的なパーツがあるわけで無ければ欠点も無い、つまらないと言われてしまえばそれまでの容貌であることは事実だと思う。
それでも私はずっしりと伸し掛かり続けていたその言葉を肩