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テレワーク、あるいは動く秘密基地をつくる:災害の避難場所に使ってみた

 今年の夏、自宅周辺では48時間で500ミリ、72時間で700ミリ超の記録的な大雨が降りました。こんなことは記憶にありませんね。

 で、家は坂の途中にあり、消防からの呼びかけもあったので、土砂崩れを警戒して、三日間避難しました。

 一日目はホテルに、二日目以降は海に浮かぶ秘密基地(早い話が海上係留のヨット)に泊まりました。役所でも避難所が開設されていたんですが、公的な避難所ではパソコンを使った仕事ができないので、いまのところ選択肢には入ってきません。

 これが台風で避難するのであれば、事前に最接近する日時をかなり正確に予測できるので、ホテルに予約をとって、ってこともできるんですが、長雨となると、日数の見通しがむずかしいのでなかなか……

 というわけで、ふだんは遊びと仕事の両方に使っている海の秘密基地に避難することにしました。

 実際に寝泊まりしてみると、それなりに細かな改善すべき点があれこれ出てきますね。

 そのあたりのことを備忘録を兼ねて少しメモしておきます。

 オートキャンプ・レベルのローテクな話です。

 車やヨットでの電源の確保やネット環境など、リモートワークに直接関連する話はまたの機会に。

 仕事場としての船は水面に浮かんでいるので、大雨の時の避難所としては問題なく使えます(台風の時は逆に危険なので、事前に増し舫いをして地上の堅固な建物に避難)。

 一定の期間滞在して、しかも仕事をするには、疲れをためないことが大切なので、仕事場といえども、まずは足を伸ばして横になる場所を確保することが最優先ですね。

 船室のレイアウトは、中央のテーブルを挟んで両側にソファー/長椅子。これをベッドとして使います。こんな感じ。

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なかなか雑誌で見るミニマリストの部屋のようにはいきませんね。

ああいう人たちは風邪をひいてティッシュが手放せなくなったり、あるいは、小さな子供がいたりするときに、どうやってあのすっきりした禅寺のような整然としたリビングを維持できるのだろうと不思議です。そこのところのノウハウをちゃんと書いてくれれば、すぐに本を買うのに……

このソファ、幅は45センチですが、分厚い背もたれを外すと幅60センチ、長さ二メートルの、一昔前の寝台列車風の寝台になります。反対側はこんな感じ。

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背もたれの裏(白い部分)は物入れ。その上の段には本や書類を置けます。ミニコンポは小型船舶検査の法定備品で必要なラジオ兼用。スマホも無線装置として信号紅炎という救助を求める発煙装置の代用として認められています。

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照明はこんな感じ。

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丸い方が元からの電球式のもので、その横は12VのLEDライト。本を読むときは別にスポットライトを使用。

今回、もうちょっと改善すべきかなという点は

・高電力のインバータの設置
・出入り時の雨対策

インバータは、車のバッテリーなどで一般的な直流12Vを交流100Vに変換して家庭用の電気器具が使えるようにする装置。

車では小型のものがよく使われていますが、滞在するとなると、非常食だけでは味気ないので、食生活の幅を広げるため、どうしても電子レンジがほしくなります。

それで電子レンジがほしいとあちこちで言っていたら、中古の単機能のレンジをただでやるよという奇特な人がいたので、ありがたく頂戴しました。

そのために大容量(1800W)のインバーターをまた設置しようと思っています。

1800Wのインバータは以前から持ってはいたのですが、ほとんど使わないので、ホームセンターやカーショップで普通に売っている小型のものに変更していました。

とはいえ、1800Wのインバータを設置するには配線からまたやり直さなければなりません。

100V交流だと流れる電流は18Aにすぎませんが、12Vのシステムでは150Aになるわけで

電力P (W) = 電圧E (V) × 電流I (A)
1800 W = 100 V x 18 A <==> 1800 W = 12 V x 150 A

配線も車のバッテリーあがりのときに活躍するブースターケーブル並みの太さのケーブルが必要になります。

こちらが今回もらったレンジ。

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その上の部分は揺れても安定するジンバル式の台に載せた調理用のカセットコンロ。

もともと調理用に小型プロパンガス機器が設置されていたんですが、配管も含めて定期的に専門業者の検査を受けなければならないので、家庭用のカセットコンロに置き換えています。お湯をわかしたりするくらいですからね。

で、こちらがインバータ。

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座席の下の空間に仮置き状態。すぐ右がバッテリーをおいているところ。
配線するには穴あけ等の作業が必要。

次に、雨よけ対策

これは二つあって、傘をたたんで船室に入る際に傘を濡れないようにドジャーとビミニトップ間の雨よけシートが必要だというのと、ヨットでは定番のサンブレラという生地自体の雨漏りを防止すること。

現状はこんな感じ。

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メインセイルを取り付けるブームとコントロール用のロープがあるので、どうしても隙間ができてしまうんですよね。
ドジャーの内側から見ると、こんな感じ。

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手前がドジャーで奥の下が日よけを兼ねたビミニトップ、その上が100Wのソーラーパネル(この辺の話は電源の確保の項で)

また、大雨になると防水スプレーくらいではなかなか布生地からの雨漏りは防ぎきれないので、軽くて加工しやすく入手しやすいプラダンとの二重張り、を考えていますが、プラダンは紫外線に弱いのでサンブレラの下側に置く形になるでしょうか。

仕事の合間に手作業でやっているためなかなか進みません。

今回はこの辺で。


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