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【こんな映画でした】333.[ハムレット]

2022年11月17日 (木曜) [ハムレット](1948年 HAMLET イギリス 153分)

 ローレンス・オリヴィエ監督作品。もちろん主役ハムレットも(撮影当時41歳)。オフェリアにジーン・シモンズ(撮影当時19歳)。正直にいうともう少しだけほっそりしてて柔らかく儚げな感じを持った女優はいなかったのか、と。ジーン・シモンズには悪いが。彼女では[エルマー・ガントリー]が良かったが。

 それにしても今にして、何と私はもう72歳である。この年になって、ようやくこの作品を観ることができたとは。もちろん、もっと若い頃に観ておきたかったという、悔恨の情である。晩年になって初めて観ることができるというのは、考えようによっては、長生きの賜物ではあるが、それにしてもどうして、もっと早くにその機会がなかったのかと嘆息してしまう。

 さて内容だが、やはり舞台劇であるから、セリフに修飾された美しい表現が散りばめられている。もちろんその悲嘆を嘆く言葉も。
 オープニングでテロップがある。意味深だと思うが、それを考える暇もなく話が展開していく。そのナレーションの一つに、「これは一人の男の悲劇である」、と。さらにその男をして「優柔不断」と説明している。ハムレットは優柔不断な男だったのだろうか。

 人間の犯す悪というものに翻弄され、愛する両親とオフェリアのすべて失うというのは、何という悲劇であることか。悲劇は喜劇である、などということはできないくらい、やはり悲劇そのものである。

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