【こんな映画でした】711．［独裁者と小さな孫］

2020年11月21日 (土曜)　［独裁者と小さな孫］（2014年　THE PRESIDENT　ジョージア／フランス／イギリス／ドイツ　120分）

　モフセン・マフマルバフ監督作品。主役の大統領はミシャ・ゴミアシュヴィリ、老けて見えるが撮影当時53歳であった。孫の子役がとても良い。ダチ・オルウェラシュヴィリ。生年のデータは見つからなかった。６～８歳くらいか。

　内容はシリアスを通り越して、観るのも辛い過酷な内容である。作中何回か、孫のダチが言われているが、まさに「見るな」というものが。しかしそれが現実であったろうことは間違いないだろう。いや事実はもっと酷かったであろう。

　ラストシーンも良く出来ている。興奮して殺そうとする人々を、おそらくともに歩いて脱出してきた政治犯の一人が制止して諄々と説く。恨みを晴らしても、復讐は連鎖する、と。それよりは民主化のためにこの（元）大統領に「踊ってもらおう」というのだった。大したものだ。

　案山子に化けて軍人たちをやり過ごすシーンは、ジョークでもあるか。実際はそうは上手くいかないだろう。