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【こんな映画でした】380.[ピクニック](1955)

2021年 9月 2日 (木曜) [ピクニック](1955年 PICNIC アメリカ 113分)

 ジョシュア・ローガン監督作品。1988年11月3日にテレビで観ていて、今回は二回目。にもかかわらず全く覚えていなかった。何かの解説で男は立ち去っていくように書いてあったが、実は女がその男を追いかけていくことになっていた。あの[卒業」[小さな恋のメロディ]などと同様のエンディングだ。その先は分からない。

 マッジ役キム・ノヴァクは[めまい](1958)の方がより肉感的な美人となっている。ここでは21歳くらいで清純な感じがある。もっとも私には妹ミリー役のスーザン・ストラスバーグ(撮影当時16歳)の方が魅力的だ。好みの違いだが。

 そもそもこの映画については、まずその映画音楽から知ることとなった。映画音楽のLPレコードにあって、何度も聴くうちに耳になじむこととなったもの。そう劇的なメロディーラインでもないし、映画の中でも比較的小さな音でソッと流れていただけだった。それでも頭に残るものだ。

 一回目にどのような感想を持ったかはもはや知ることはできない。今回観ていて、作り方の上手さに感心させられた。元が舞台劇だったということで、それが頷けた。

 逆に難点は、アメリカ映画というかハリウッド映画の特色でもあるようだが、要するにスター主義。だから少々役柄としては年を取っていてもオーケーにしてしまう。ここでのハル役ウィリアム・ホールデンなどもう36歳くらい。キム・ノヴァクとは差がありすぎる感を否めない。

 あと金持ちの親友(?)アランをちょっと嫌な奴に描きすぎか。その分、彼の父親は良いように描いている。たとえばハルが車を返しにきたのに、アランが盗んだとして警察に通報。ハルを捕まえるようにと叫ぶが、父親はそれを制止しようとしていたシーンである。二世はダメという典型例にしてある。それらの積み重ねで結局マッジはアランを捨て、ハルを追いかけていくことになる。

 サイドストーリーとして、オールドメーダン(高校教師、ロザリンド・ラッセル、撮影当時47歳)のハワードとの結婚までのいきさつが並行している。ちょっと嫌味に描いてはあるのだが。隣家の老婦人ヘレン(ヴェルナ・フェルトン)が良い味をだしている。

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