【こんな映画でした】134.[グラン・トリノ]
2009年12月31日 (木曜) [グラン・トリノ](2008年 GRAN TORINO アメリカ 117分)
監督・主演クリント・イーストウッド。グラン・トリノとは、車の名前だった。たしかになかなか格好いい。これを見て、かつての日産のセレステという車を思い出した。私のなかでのスタイリングの良い車は、日本車ではいすず・ピアッツァ、外国車ではシトロエン・BX、そしてメルセデス・ベンツ190。この映画のDVDの特典に過去のアメリカ車が紹介されていたので、私も思い出した。
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さて中身はなかなかシリアスであった。日常茶飯のトラブルだといえば、その通りなのだが。小さなトラブルでもその解決は難しい。まして暴力が介在してくるので。
人を殺すこと、この苦悩を朝鮮戦争以来、持ち続けたまま生きてきた主人公。それと対比される若者たちは、ラオスあたりの民族である「モン族」。彼らがもう一方の主人公である(彼らの親たちはベトナム戦争に参加しているだろう)。
オープニングは妻の葬儀のシーンで、老いた主人公は一匹の老犬との一人暮らしになる。二人の息子とその家族との間の溝は大きい。さらに近所づきあいも、隣家がこのモン族の家族であり、仲がいいわけではない。こんな状況から隣家の人たちとのトラブルやら交流が始まっていく。
ラスト。そういうエンディングがあるのか。あるいは、そういうエンディングしかなかったのか、と思わせられる。同じ監督の[チェンジリング]とはまた違った趣きのある映画であった。
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