見出し画像

【こんな映画でした】339.[落ちた偶像]

2021年 4月19日 (月曜) [落ちた偶像](1948年 THE FALLEN IDOL イギリス 94分)

 「映画で楽しむ名作文学 2」の一枚。キャロル・リード監督作品。原作はグレアム・グリーン。解説には「フィリップが崇拝していた執事のベインズには、愛人がいた。妻が二人の仲を疑い始めると、彼女は事故死してしまい…。少年の視点で描いたサスペンス映画の傑作。」とある。

 主演ベインズをラルフ・リチャードソン、撮影当時45歳。ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の[アンナ・カレニナ](1948年)、[素晴らしき戦争](1969)、そして[栄光への脱出](1960)でも観ているようだ。

 女優はジュリー役にミシェル・モルガン、撮影当時26歳。この一月に[霧の波止場](1938)で初めて観た。そして問題の子役はボビー・ヘンリー、撮影当時8歳くらいか。その後はあまり映画には出てないようだ。2001年のデータでは病院の司祭をしているとあった。子役はなかなか大変なようだ。

 さて中味は、言うなれば子どもにはあまり突拍子もないほら話をしてはいけないということか。憧れを持っている子どもは、偶像化してしまうので、何でも信じてしまうということに。そして約束は守らなければとの思いが強く、かえってウソをついてしまうことにも。

 ミステリーとして、ラストで解決するうえでの伏線があらかじめ分かりやすく提示されていた。基本的にはベインズ夫妻の不仲があってのアクシデント。それをフィルという子どもから見るという視点で作られている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?