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【こんな映画でした】237.[嘆きのテレーズ]

2019年 5月23日 (木曜) [嘆きのテレーズ](1952年 THERESE RAQUIN 107分 フランス)

 マルセル・カルネ監督作品。上手いな、と素人の私には思えた。カメラアングルや光線の取り入れ方、アップの表情等々。モノクロのほうがその上手さが分かりやすいのかもしれない。そしてラストシーン、なかなか味な終わり方というべきか。

 それにしても内容は辛いものがある。19世紀半ばのエミール・ゾラの原作を、約一世紀後に置き換えての話。それでも女性の地位の低さは変わりなかったのか。それはテレーズがそのような結婚をするしか、その人生の選択肢がなかったということに端的に表れている。今もそうだが、女性の地位・権利の回復にはまだまだ時間が掛かる。

 テレーズ役のシモーヌ・シニョレは映像ではやや小太り。しかしその表情はとても魅力的だ。特にこの薄幸の女性を演じている様は。彼女の映画は他には[天井桟敷の人々](1945)しか観ていない。そのせいもあり、とても新鮮に観ることができた。
 ローラン役のラフ・ヴァローネは初めて観た。なかなか魅力的。監督のマルセル・カルネは、[天井桟敷の人々](1945)に続いて二本目となる。

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