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【こんな映画でした】366.[パッチ・アダムス]

2022年 5月 2日 (月曜) [パッチ・アダムス](1998年 PATCH ADAMS アメリカ 116分)

 トム・シャドヤック監督作品。初めて。ロビン・ウィリアムズ(撮影当時46歳)主演。監督の強い希望であったとか。在職中、生徒さんに勧められて観たもの。勧めてくれた理由がよく分かる。当時はVHSであった(今も保有)。今回はDVDを買って、観た。メイキングが付いているのがいい。もっとも監督による音声解説もあるのだが、字幕なしなのでお手上げである。

 すごい理想論というか、もはや空想・妄想に近いくらい非現実的な話でもある。いや、本当はパッチのいうことが真っ当なのだが、現実はまさにその真逆なのだから。

 パッチが常に一般的な医者とか病院のイメージからはかけ離れた、とても奇体な風体でいるので、まずこれに驚かされる。メイキングでご本人が出てきて、まさにそのような服装やピアス、髪の毛も染めていてということだったので納得した。

 医者というのはもともと資格のいる職業ではなく、経験的にそれができる人が、そういう役割を果たしてきただけに過ぎない。つまり一種の職人であったのに、いつのまにかその利権を守るために国家資格・医師免許ということで排他的に独占してしまっている。

 医師の中には、患者のことを人間としては見れない人もいるようだ。そこには人間的な触れ合いもなければ、当然、親身さの欠片もない。かくして病院は牢獄になってしまっている。そんな中では治る患者も治らない。特に悲惨なのは子どもたちである。笑いを忘れ、笑顔を失った子どもたちの病状が良くなるはずがない。

 それに気が付いたのがパッチであり、即、実行に移していったのだった。しかし病院・あるいは医科大学の壁は厚い。まず三年目にならないと臨床には参加できないという制限である。おかしなことの一つである。最初から徹頭徹尾、患者を見て学ぶことが大事だと私でも思う。

(パッチ) 人が苦痛と闘い、死んでいく病院だよ。人は皆死ぬ。医者の務めは健康を高めることだ。死を遅らすのでなく、質の高い生を与えること。

 死を遠ざけるのではなく、生を高めるのが医者の務め。....医者になる前に人間に! 人と対話する能力を。

(メイキングで本人が)私が求めるのは幸福、楽しさ、愛、協力、創造性。

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