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【こんな映画でした】129.[秘密の花園]

2021年11月 1日 (月曜) [秘密の花園](1993年 THE SECRET GARDEN アメリカ 102分)

 アグニェシュカ・ホランド監督作品。女性監督である。アンジェイ・ワイダの[悪霊](1987)の脚本家の一人であった。バーネットの原作は、小学校時分に読んだ気がする。中学だったかもしれない。すっかり忘れているが、懐かしい。

 主役の女の子メアリーはケイト・メイバリー(1982年生まれ)で、10歳とは思えないしっかりした顔をしている。とても魅力的。いとこの男の子コリンはヘイドン・プラウス(撮影当時11歳)。あと脇役だがディコン役のアンドリュー・ノット(撮影当時12歳)が良い。[ミス・シェパードをお手本に](2015)に出ていたようだが、子役の20年後の顔は想像できないので、分からなかった。

 さて傑作だったのは、この病弱なコリンに屋敷の家政婦(マギー・スミス他)たちが対応する時であった。みんなマスクをするのだった。コリンに何か細菌かウィルスかをうつさないようにという配慮なのだろう。この話は19世紀後半が舞台だとおもうが、もうマスクは存在している。

 些細なことだがラストシーンで気になったのは、やはり身分の問題である。コリンと父親、そしてメアリーの三人が手をつないで踊るところ。つまり身分違いのディコンはそこから離れて、その輪には入れない(入らない)のだ。私のパートナーは、単に彼ら三人が家族(親族)であり、ディコンはそうではないからだ、と。でも私はやはり身分の違いがあるのだと思う。つまりディコンは身分をわきまえて、たとえそれまで一緒に遊んでいた(世話をしていたというべきか)としても、館の主人が登場してきたら、そこに居てはいけない存在となるのだ。それが分かっていたから、遠く離れて馬に乗って素知らぬふりをして見守っていたのではないか。

 どこまでいってもイギリスの、しかもいまだ19世紀の話である。階級差別の厳しい社会なのである。

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