見出し画像

【こんな映画でした】463.[愛と青春の旅だち]

2022年11月 1日 (火曜) [愛と青春の旅だち](1982年 AN OFFICER AND A GENTLEMAN アメリカ 124分)

 テイラー・ハックフォード監督作品。リチャード・ギア(撮影当時33歳)主演、デブラ・ウィンガー(撮影当時27歳)が相手役を。

 海軍士官学校の話というか、軍人育成のものなので、[フルメタル・ジャケット]同様のシーンがある。もちろん私は苦手とするところ。彼らを人間扱いしないし、まして敵など虫ケラのようにと洗脳していくわけだ。

 そういうことで全体としてもこの手の映画は好きになれない。あえて言うならデブラ・ウィンガーが若くて良い感じであることか。それと音楽が良い。

 いずれにせよアメリカの軍隊が駐留している所は、退廃している。ここではまずフィリピンであるが、その米軍基地のすぐ側には売春街が現にあるとのこと、監督が言っていた。そして主な舞台であるワシントン州のシアトル。ここでも士官学校の生徒を狙って(?)若い女性たちが押しかけてくる、としている。

 そんな中の二人の女性と二人の生徒との関係がメインストリームである。結論から言って、案の定、妊娠したという(ウソ)ことで結婚をしようという、つまり生活の安定を図ろうとする女性が一人。そんな生き方を拒否する女性がいま一人のデブラ・ウィンガーの役である。

 男も女も愛を信じられない状況がベースにあるようだ。リチャード・ギアの場合は、その生い立ちがまずオープニングシーンで紹介されている。後に分かるが、彼の母親は彼にひと言もなく自死している。その喪失感というか、大事にされてなかったということが、彼のトラウマである。だからデブラ・ウィンガーとの愛情も信じられないわけだ。

 そんな彼がそれを乗り越えていくことになるという話である。もっともそのために親友とも言える男性が、失意のうちにこれまた彼に何も相談することなく自死している。この二つの自死によって衝撃を受けており、人の愛情を信じられず、孤独に生きていこうとするのだった。

 最後は気が付くことになるのではあるが、なかなかそのような相手と巡り逢えるかどうかが難しいところだ。なおラストシーンのカットは、分からなくはないが、私にはイマイチであった。アメリカ映画的と言うべきか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?