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【こんな映画でした】683.[三十九夜]

2020年 8月27日 (木曜) [三十九夜](1935年 THE 39 STEPS イギリス 88分)

 ヒッチコック監督作品。原題は「39階段」なのに、どうして邦題はこうなったのか。疑問だ。後の他の監督によるリメークではちゃんと[三十九階段]としているのに。

 さて主役ハネイ(カナダ人)はロバート・ドーナットで、撮影当時30歳、既に[チップス先生さようなら](1939年)で観ている。しかし別人のように見えたので、その意味では新鮮であった。特段にハンサムというわけでもない俳優なのだが。

 ストーリーの展開は早く(大体そうだと思うが)、ハネイとアナベラ(ルーシー・マンハイム、撮影当時35歳)が劇場で出会って、まもなく彼女が殺されるいう展開も、なぜ・どうしてといったことはすっ飛ばしている。ま、それでミステリーというわけでもあるのだが。

 こういった点について、ヒッチコックは『映画術』で次のように述べている。

 観客が映画の登場人物に同化することが絶対に必要(P.89)

 わたしにとって映画を撮るということは、何よりもまず、ストーリーを語ることだ。そのストーリーには<らしさ>がなくてもいい。だが、ありきたりのストーリーであってはならない。ドラマチックで人間的でなければならない。ドラマというのは、要するに、人生から退屈な時間をすべてカットしたものだと言っていい。(P.89)

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