見出し画像

【こんな映画でした】372.[92歳のパリジェンヌ]

2022年12月28日 (水曜) [92歳のパリジェンヌ](2015年 LA DERNIERE LECON THE FINAL LESSON フランス 106分)

 パスカル・プザドゥー監督作品。マルト・ヴィラロンガ(撮影当時83歳)が主役マドレーヌ92歳を。[愛と哀しみのボレロ](1981)・[赤ちゃんに乾杯!](1985)を観ているようだ。原題は、「最後のレッスン」・「最後の教訓」といったことらしい。原案はノエル・シャトレ作『最期の教え』という実話とのこと。

 シリアスな内容である。法的に認められていないので、結局は睡眠薬を大量に入手し、それを摂取しての自殺ということになるようだ。ここでは主人公がいつ死ぬかというその日付を家族のみんなに宣言するところから始まり、それが問題となって家族のそれぞれが苦しむことになる。

 そして何とか母親の決意を止めようとするのだが、といった展開である。今年はあの映画監督のゴダールが、スイスでそのような安楽死を遂げたことが報じられていたことを思い出す。マドレーヌはもう生きる気力がなくなったとして、死ぬことを決意したようだ。そして遺品となるものの整理を始めていく。

 長生きは、精神的にも肉体的にも健康でなければ、その内実はシビアなものとなる。今さらこの年で生きる目的とは何か、と問うのも野暮なことだ。だから本人がもう生きていく気力がなくなったと自覚したとき、どのような方策を取るべきか。これは今後の私の問題でもある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?