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【こんな映画でした】377.[麦の穂をゆらす風]

2021年 3月23日 (火曜) [麦の穂をゆらす風](2006年 THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY イギリス/アイルランド/ドイツ/イタリア/スペイン 126分)

 ケン・ローチ監督作品。1920年の北アイルランドでのこと。もう悲惨この上ない歴史的事実である。黒幕は英国。しかしそれに乗せられて同胞同士殺し合うということをしたのは、彼らアイルランド人である。悲惨だ。

 あまりのことに一度には観られず、何度にも分けて観た。重苦しいことは、この監督作品であるから予想はしていたが、想像以上の凄まじさであった。と同時に、私にすれば日本の軍隊が朝鮮半島や中国で行ってきたことと、おそらくまったく同じことと言えるだろうからだ。

 軍隊を持ち、軍人を擁するや、国家は無限大の暴力を敵と認定する対象に対して行使する。その先兵となるのが愛国心あふれる人々であったとしたら、その悲劇はより深刻なものとなる。この映画でもラストシーンは、兄が弟デミアンを銃殺するのであった。

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