見出し画像

【こんな映画でした】260.[子供たちは見ている]

2021年 3月13日 (土曜) [子供たちは見ている](1942年 I BAMBINI CI GUARDANO THE CHILDREN ARE WATCHING US イタリア 79分)

 ヴィットリオ・デ・シーカ監督作品。主演は母親役のイザ・ポーラ(撮影当時33歳)、その子供プリコをルチアノ・デ・アンプロジオ(撮影当時6歳)、父親役をエミリオ・チゴリ(撮影当時34歳)。

 解説には「妻の不倫に苦しむ夫は一人息子プリコを親戚に預けるが……。大人たちの身勝手を炙り出すプリコの鋭い視線に胸を抉られる。名匠ヴィットリオ・デ・シーカが『靴みがき』『自転車泥棒』以前に撮ったネオレアリズモの先駆けとなった名作!」、と。

 何ともシビアなエンディングである。プリコの哀しみに涙を誘われるというところか。男女間の愛情、夫婦間の、そして母子のそれと、それぞれを描くのだが、どれを第一にするかは個人個人の人生観・価値観の問題となろう。
 たとえそれが非倫理的・非道徳的として指弾されようと、そうなってしまったものは誰にもどうしようもない。それがついには子供を犠牲にして、ということに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?