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【こんな映画でした】528.[女の都]

2022年 5月23日 (月曜) [女の都](1980年 LA CITTA DELLE DONNE CITY OF WOMEN イタリア/フランス 139分)

 フェデリコ・フェリーニ監督作品。何ともはやサッパリ分からない、と思わせられる内容。最後まで観て、これは男性批判というか、男性の異常なまでの女性への、それも特にセックスへの執着を風刺する諧謔なのかなと(男性を愚弄してるとまではいかないか)。とまれ解釈しようとはせずに、こんなものなのかと流し見するのが一番か。

 オープニングシーンは列車がトンネルに入っていくところ。線路は単線である。トンネルの中で画面が暗くなる。それがトンネルを出て明るくなると主人公役のマルチェロ・マストロヤンニが浮かび上がってくる。進行方向を向き、右側の窓際にもたれて居眠っている。――これでいよいよ本作は、夢の世界に入って行くのだなと観客に分からせるわけだ。(最終的に、これからの中身はすべて「夢オチ」になるものと予想される)。

 彼の目の前にサングラスの美女がいる。彼女につられてフラリと追いかけていき、トイレの中で事に及ぼうとするも、列車が停止。彼女の下車駅だということで、サッサと降りてしまう。彼も、彼女を追いかける。そこは果たして駅なのかどうか分からないような、草原とそれに続く森がある場所。一瞬ためらうも、やはり追いかけていく。ここからいよいよ「狂乱の場」が展開されることに。

 まず着いたのは(紛れ込んだのは)ホテルという看板があるにはあるところ。やや薄暗く、狭い。しかしそこには、あふれんばかりの数の女性がいたわけだ。男性の姿はほとんど見られない。彼女たちは酒を飲んでいたり、歌ったり、踊ったり。あるいは女性同士でいちゃいちゃしたり、アジテーション演説も。彼女たちはフェミニストなのだ。

 それから延々とその場所で様々なものを見ていくが、ついに泥酔している妻のエレナを見つけ、夫婦げんかになる。そのような修羅場から逃れられたと思うと、農場で大きな女性に強姦されかかることに。まだまだ続くのだが、以下略。

 ラストシーンは再び(当たり前だが)列車内。主人公の向かいの席には絶世の美女ではなく、彼の妻エレナが座っている。そのコンパートメントにあと三人の女性が乗り込んでくる。どこかで見たような顔の(夢の中に登場した彼女たちであった)??

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