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【こんな映画でした】673.[ロープ]

2020年 7月 3日 (金曜) [ロープ](1948年 ROPE アメリカ 81分)

 アルフレッド・ヒッチコック監督作品。ユーモアの出番のない映画。カメオ出演もなかったと思う。言わんとしていることは、ドストエフスキーの『罪と罰』を想起させる。ただただシリアスなだけのような。

 後で特典映像を観ると、ユーモアも入れられており(私には理解できなかったが)、カメオ出演もあったようだ。それはオープニングシーンで道路を人が歩いているところを俯瞰したもので、左手前から右へ歩いているようだ。小さいので不分明。

 カメラワークはすごいと思った。ヒッチコックの『映画術』によると、フィルム1巻が10分なので、その長回しだったようだ。10分ごとにフィルムの入れ替えをしなければならないので、それを人の背中を映すことでやっていたとのこと。ちょっと不自然だと思ったのは、そういうことだった。

 長回しなのでリハーサルが大変だったようだが、そのかわり編集作業がないということに。実験的な試みでもあったようだ。あとヒッチコックの初カラー作品ということ。

 俳優はジェームズ・スチュワートがもっともギャラが高く、製作費150万ドルのうち30万ドルだったそうだ。やはりアメリカ映画の主役級は凄いものだ。中心となる二人の若者は、[見知らぬ乗客]・[夏の嵐]のファーリー・グレンジャー(撮影当時23歳)とジョン・ドール(撮影当時30歳)。

 ジョン・ドールはなかなか良い感じなのだが、惜しくも50歳で亡くなっている。もしかしたら、[スパルタカス]で観ているかもしれない。

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