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【こんな映画でした】136.[マルコヴィッチの穴]

2021年 3月 7日 (日曜) [マルコヴィッチの穴](1999年 BEING JOHN MALKOVICH アメリカ 112分)

 スパイク・ジョーンズ監督作品。[かいじゅうたちのいるところ](2009)を観ているので二本目となる。しかしこれがデビュー作とのこと。難解である。

 ミステリアスな女性は、キャサリン・キーナー、撮影当時39歳。主人公の妻ロッテはキャメロン・ディアス(撮影当時26歳)、名前は聞いたことがあるような気がするが、これまでに観た映画はないようだ。主人公シュワルツはジョン・キューザック(撮影当時32歳)。見たことのある顔だと思ったら、最近観たばかりの[ウディ・アレンの 影と霧](1992)に出ていた。あと[スタンド・バイ・ミー](1986)・[狂っちゃいないぜ](1999)にも。

 そして主役と言うべきか、ジョン・マルコヴィッチ(撮影当時45歳)は、意外なことに結構観ていた。器用な役者なのだろう。古くは[キリング・フィールド](1984)から、[シェルタリング・スカイ](1990)・[ウディ・アレンの 影と霧](1992)・[ジャンヌ・ダルク](1999)・[チェンジリング](2008)。なお先だって観たばかりの[偶然の旅行者](1988)では製作を。

 さて映画だが、15分間だけマルコヴィッチの頭の中(身体の中)に入れるということがポイントとなる。その入口は、とあるビルの7階と8階の間にある「二分の一」というフロア。そのオフィスにある小さなドアを入っていくことにより、マルコヴィッチの中へ。

 映像としては、マルコヴィッチが見ているものを見ることができ、ついにはそのマルコヴィッチを意のままに動かすことができるということに。傑作なのはこのおかしな事象に気づいたマルコヴィッチ本人が、その入口から中に入っていくというところ。

 マルコヴィッチ自身が、マルコヴィッチの中に入っていくということで、映像としては彼が見る人々はすべて同じ顔、つまりマルコヴィッチ自身の顔をしているというのだ。女性もいれば年齢層も違う。しかし顔だけはマルコヴィッチ自身そのものなのだ。何とも錯綜した仕掛けである。

 で結局、これは何を言いたいのだろう。ラストシーンはこの8年後であり、7歳くらいの女の子がプールで泳ぎ遊んでいるもの。煙に巻かれた観。またいつか再読ならぬ、再見を。

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