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【こんな映画でした】116.[マイティ・ハート/愛と絆]

2021年 6月29日 (火曜) [マイティ・ハート/愛と絆](2007年 A MIGHTY HEART アメリカ 108分)

 マイケル・ウィンターボトム監督作品。初めて。2002年1月にあったジャーナリストの誘拐事件(実話)をもとにしたもの。前年のいわゆる「9.11」直後のパキスタン・カラチでのこと。誘拐された夫の妻役でアンジェリーナ・ジョリーが出ている。[17歳のカルテ]とはずいぶん趣が違う。ハードな立場で、しかも妊娠中ということで。

 パキスタンの警察の捜査の仕方の酷さは、見ていて嫌になる。もっとも世界中どこでも権力というのはそういうものだろう。それにしてもこの映画はやはり白人というか、アメリカ視点のものといった感。どれだけジャーナリストが大事な仕事をしているのだと主張しても、本質的に国家権力に利用されている面を否定はできない。

 あとここでは、宗教と民族がらみで憎しみが増幅していくということ。それはかつてのイギリスの負の遺産でもある。パレスチナとイスラエルのこと一つとっても明かだ。ついでに言うなら香港の問題もイギリスの置き土産だ。

 夫が最後にユダヤ人であることを誘拐犯たちに言っているようで、そのことが解放につながることはなく、むしろ殺害される要因になったのかもしれない。とまれアルカイダなどイスラム教徒との兼ね合いなど、世界の政治(宗教)状況の困難さをあらためて認識させられる。

 そしてそういった政治的事件の背景に存在する黒幕の存在に気付かないといけないのだが、それはとても困難なことだ。誰が真犯人か簡単に分かるわけはない。

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