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【こんな映画でした】834.[モダン・タイムス]

2023年 2月10日 (金曜) [モダン・タイムス](1936年 MODERN TIMES アメリカ 87分)

 チャールズ・チャップリン監督作品。この映画のことを知ったのは遅くても高校時代。もっと早かったかもしれないが、社会科の教材に歯車に挟まれたチャップリンの写真があった。映画そのものは1970年代に観ているはずだが、その後今回がきちんと観る二回目か。無声映画ではあるが、ラスト近くチャップリンの歌う「ティナティナ」がトーキーで入っている。

 全体の構成は、「工場・監獄・デパート・カフェ」と解説にある。「工場」ではオートメーションであり、流れ作業である。これは最近まで知らなかったが、ルネ・クレールの作品にも工場のシーンがあり、おそらくチャップリンもそれを観ていたであろう。しかしそれを盗作というのは、違っているだろう。

 「デパート」では、目隠しをしてのローラースケートのシーンが面白い。工事中のすぐ横の狭い所でのスケートである。どのようなトリックで撮影したのだろう。

 そして「カフェ」でのチャップリンの歌声である。つまり一部トーキーというわけだ。解説によると、最初に公開されたものは、今回私が観たものよりもう少し長かったようだ。とまれ一部のセリフもトーキー、つまり録音して試していたらしい。トーキーを採用するしないも、試行錯誤をしての結果のようだ。

 百貨店の中でエスカレーターが出てくるが、そこでは「MOVING STAIRWAY」と看板があった。実にエスカレーターは19世紀末に登場しているのだった。

 オープニングシーンは画面いっぱいの大時計(の文字盤)だが、まさに時計こそが現代社会を象徴するものなのだろう。人々は皆、この時計、そして時間によって拘束されているのだ。

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