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【こんな映画でした】493.[海外特派員]

2020年 5月21日 (木曜) [海外特派員](1940年 FOREIGN CORRESPONDENT アメリカ 120分)

 アルフレッド・ヒッチコック監督作品。1939年夏の開戦間際の話。結局、戦端は開かれ、主人公たちの乗っていた民間飛行機が撃墜されるということに。

 それにしてもくどいほどに、ヒッチコック流の小道具やストーリーの流れが分かる。なるほど、と。すでに戦争は始まってしまった段階で、この映画は作られている。しかも内容的には開戦を阻止することはできなかった、その一顛末を描く。しかし平和団体のフィッシャーの娘に次のように言わせている。

(22分~、キャロル・フィッシャー)果たして今のような時代に素人よりも、専門家の方が信用できますか? 専門家だけが実権を握る時代は終わりました。今こそ素人の役立つ時代です。

 まるで今の日本のご時世を指摘しているようだ。専門家と言われる御用学者は排除しなければ、ということか。いずれの時代、いずこの場所においても同様のことがあるということ。御用学者の利用は、権力者・為政者の常套手段だろう。

 主演のジョエル・マクリーは初めて。キャロル・フィッシャー役はラレイン・デイで、やはり初めて。もう一人の男優は、ジョージ・サンダースで[レベッカ]とか[イヴの総て]に出ていたようだ。

 解説によると、この主役にはゲイリー・クーパーをオファーしたが、断られたとのこと。もっとも後年、ヒッチコックに出演しておけば良かったと述べたそうだ。ミステリーに対する偏見があったようだ。

 ということで主役級の二人は、まだヒッチコックが有名でなかったせいか、二線級の俳優をあてがわれたとのこと。もちろん出演した彼らにとってはラッキーだったろう。これで映画史上に名前が残るのだから。

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