見出し画像

【こんな映画でした】811.[太陽はひとりぼっち]

2023年 2月 4日 (土曜) [太陽はひとりぼっち](1962年 L' ECLISSE THE ECLIPSE イタリア/フランス 124分)

 ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品。愛の不毛三部作の三番目。これが最も分かりにくいと言えようか。アラン・ドロンが出ているが、あまり精彩がない。モニカ・ヴィッティに食われている感じがする。それほどにモニカ・ヴィッティの存在感がある。

 原題の意味は、「日食」ということで、彼女こそが太陽なのかもしれない。それが他の人々、特に男性によって侵食されるということになるのかもしれない。もちろん彼女に限らず、人は皆、他人というか周囲の人たちの影響によって、如何様にも変わらざるを得ないものだ。

 風景描写で、人の心理を描き出すという手法のようだ。だから分かりにくい。説明もないのは、他の映画同様だが。よく考えないと分からないが、まずは彼女の孤独とか、人をスッと愛していけない状況に共感すればいいか。感じ取れたらいいのだろう。

 これで三部作といわれるものを観てしまったが、もちろん一回観たぐらいで云々できるものではないが、敢えてひとことで言えば、やはり「愛というものの不条理性」だろう。感情の問題・皮膚感覚的な感性については、どう理屈を捏ねようとダメなものだ。つまり最初からダメなものは、ダメなのだ。シビアなものである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?