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【こんな映画でした】533.[仕立て屋の恋]

2020年11月14日 (土曜) [仕立て屋の恋](1989年 MONSIEUR HIRE フランス 80分)

 パトリス・ルコント監督作品。初めて。原題は「イール氏」ということ。俳優はミシェル・ブラン、撮影当時37歳くらい。初めて。誘惑する女・アリスをサンドリーヌ・ボネール、撮影当時22歳。初めて。

 この映画を観てつくづく思うのは、(一概に言えるほど観てはいないが)「不条理」の一語である。フランス映画は、人生の不条理を描いている、と。つまり人を好きになったり、愛したりすることは、基本的に良いことだと思われているが、現実はそう簡単にはいかないということ。

 理不尽という言葉もあるが、ここは不条理という方が的確のような気がする。悲しいことだが、やはり物事には両面があるということだ。ラストシーンでのイール氏の言葉、「せつないだけだ」は、まさしくせつない。

 この映画は、辻邦生の『美しい人生の階段 映画ノート'88~'92』・『幸福までの長い距離』に紹介されていた。

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