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【こんな映画でした】23.[愛する時と死する時]

2022年 1月27日 (木曜) [愛する時と死する時](1958年 A TIME TO LOVE AND A TIME TO DIE アメリカ 132分)

 ダグラス・サーク監督作品。主人公の男女をジョン・ギャヴィンとリゼロッテ・プルファー。題名の付け方が上手い。邦題もいい。

 1944年の独ソ戦線のどこか、雪原がいっぱいに広がるいかにも寒そうな荒涼たるシーンから始まる。いきなり余談だが、この映画の時代とは違うが、こんな寒冷な地に住んでいて、どうして地球温暖化などと声高に叫ぶのか理解に苦しむ。おそらくほとんどのこれらの地に住む人びとは、そんなことは夢にも思ってないだろう。暖かいほうが良いに決まっている。

 さて主人公グレーバーは三週間の休暇を与えられ、故郷に戻ることに。このあたり日本と違ってきちんとしているというべきか。もちろんすでに二年は経っているとのことだが。その帰還の直前にゲリラを処刑するというつらい任務をこなすことに。なおこの時、一人の若い兵がそれを苦にして自殺している。もちろん事故死扱いで報告されることになるのだが。

 戻ってきたドイツの故郷はすでに空襲を何度も受けていて、両親の住んでいた場所も瓦礫と化していた。そこから彼の彷徨が始まるのだが、そこで昔からの家族の掛かりつけ医の娘と出会うことになる。そして言うまでもなく愛しあうことに。

 少しの曲折のあと、彼らは結婚することに。数日の新婚生活で再び戦地へ。あとはもう言うまでもなく彼は命を失うことに。それも切っ掛けは妻からの手紙という、皮肉なことで。

 もともと職業軍人でない、つまり民間人が徴兵されて軍人になった場合、どうしても詰めが甘い、つまり油断してしまい命を失うことになるようだ。彼も同じことに。ラストシーンは[西部戦線異状なし]と同様の趣がある。静かに反戦を訴える。

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