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【こんな映画でした】17.[フォロー・ミー]

 いつ観たのか記録を見つけられないので分からないが、ともかく二度目となる。ずっと気になっていて、もう一度観てみたいと思っていた映画の一つ。今回ブルーレイディスクで出ているのが分かって購入。

 で、結論から言って、正解であったと思う。いろいろと考えさせられる内容であった。特に恋愛と結婚、そして結婚後の二人のあり方など。面白いのは、一般には私立探偵といえば浮気調査で夫婦仲を決定的なものにする役割を果たすことが多いのだが、ここではその逆。ある意味この映画の深いところと言うべきか。私立探偵クリストフォル(トポル)の固有の人間性によるものとも言えるが。

 夫の公認会計士はイギリスの上流階級に属するのだろう。アメリカ娘のベリンダ(ミア・ファロー)とは何かにつけて合わないのだ。それが逆に魅力と感じられて結婚したのだろう。最初のうちはいろいろと妻に教える夫であった。

 しかし結婚後、時間が経つにしたがって恋愛していた頃の交流が失われていき、妻は孤独にさいなやまされることになっていく。それを解消するためにも毎日出歩くようになったのを浮気をしているのと勘違いして私立探偵を雇うことになるわけだ。

 ラストのやり方、二人が元通りになるために「フォロー、ミー」というわけだ。単純に私と人生を一緒に歩きましょうといったことなのだが。なかなか上手いやり方だ。

 この映画はほとんどこの三人だけで展開されている。後半にクリストフォルが自身のことを語っていたが、謎の人物といった風情である。とまれ半世紀前の映画を再び観ることができ、また新たな感動を感じられるのはうれしいことである。

 「THE PUBLIC EYE」とは、「世間の目」と字幕にあった。

 キャロル・リード監督作品。ミア・ファロー(撮影当時27歳)は何本も観ている。トポル(撮影当時37歳)は[屋根の上のバイオリン弾き](1971)を。

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