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【こんな映画でした】14.[みんなで一緒に暮らしたら]

2022年 1月14日 (金曜) [みんなで一緒に暮らしたら](2011年 ET SI ON VIVAIT TOUS ENSEMBLE? AND IF WE ALL LIVED TOGETHER? フランス/ドイツ 96分)

 ステファン・ロブラン監督作品。ジェーン・フォンダ主演、撮影当時72歳。凄い。ジェラルディン・チャップリンも撮影当時66歳くらいか。相当なものだ。若手では犬の散歩に雇われるディレクにダニエル・ブリュール(撮影当時31歳)。若く見えた。

 さて内容はヨーロッパ映画らしくシビアなものだ。いわゆるハッピーエンドにはならない。それはそうだろう。人生というものは、シビアなものであり、そして終わりはない。誰かが死んでも、その係累は生き続ける。それらの人々が生きている間は、死者も彼ら生者の中で生き続けているわけだ。

 それはともかく映画に戻ると、何と主人公が映画が終わる前に、映画の中で死んでしまうのだ。しかしたとえ主人公が死んだとしても、今述べたように残された係累は生き続けるということを象徴的に描くシーンで映画は終わる。

 この映画では、夫を残して死ぬことになると分かった妻が、仲の良い友人二組と共同生活を企図する。何とかこれに成功するも、認知症気味の夫がその生活を嫌がったり、お風呂の水を出しっ放しにするなどトラブル続き。

 他人同士の共同生活というものは、そういうものだろう。特に高年齢者ばかりだし、より大変だろう。お互いにかなりの我慢を強いられることになる。それでもしかし、老人ホームのシーンが出てくるが、そこよりはマシということなのだ。

 老人ホームはフランスでもなかなかのようだ。いずこも同じで収容施設という感じである。で結局、単身となった男性がその息子によって施設に入れられるのだが、他のみんなが協力して救出する(逃げ出す)ことになる。

 共同生活というやり方は、現実的な解決策の一つにはなり得るだろう。日本の住宅事情からしたら、それはかなり難しいのだが。それと何より自由が確保されるかどうかも難しい。食事一つとっても、みんなで一緒にしなければならないとなると、結構プレッシャーになるだろう。

 とまれ老人問題・老後の問題を考えさせる映画であった。フランスでこの映画はヒットしたとのこと。身につまされる人が多いということか。

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