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【こんな映画でした】205.[我が家の楽園]

2020年 7月18日 (土曜) [我が家の楽園](1938年 YOU CAN'T TAKE IT WITH YOU アメリカ 126分)

 フランク・キャプラ監督作品の7本目。主演はライオネル・バリモアで、その孫娘アリスにジーン・アーサー、その婚約相手になるトニーをジェームズ・スチュワート、撮影当時30歳。その父親役は貫禄のあるエドワード・アーノルド。この四人が横並びでクレジットされている。

 さて感想としては、私はこれまでの同監督による6作品に比べてやや不満が残った。舞台のものよりかなり整理されているとのことだが、それでもまだ盛り沢山で、敢えて言えば枝葉末節的なエピソードや小道具までに時間を食っている。長い原因の一つには、アリスとトニーのラブシーンが冗漫。そこまでしなくても彼らの関係はよく分かるので、もっとバッサリとやればよかった、と。留置場のシーンも長い。お遊びが過ぎるというか、やはりもっとスッキリさせればと思う。

 内容的には、やはり理想主義的な面が見られ、現実にそのカービーような社長はいないだろう。無理矢理ハッピーエンドにしてあるような気もする。それが当時、つまり第二次世界大戦前夜のアメリカの状況だったのかもしれないが。

 原題は、お金などは墓場まで持っていくことはできないよ、といったところか。お金より大事なものがこの人生にはあるだろうという教訓話めいたところでもあるか。それをこの邦題のようにするのはどうかなと思う。もちろん客は入るだろうが。せいぜい「我が家は楽園」ぐらいにしておけば納得だ。そのような内容なのだから。

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