見出し画像

【こんな映画でした】599.[とらんぷ譚]

2020年10月 7日 (水曜) [とらんぷ譚](1936年 LE ROMAN D'UN TRICHEUR フランス 78分)

 原題は「ある詐欺師の話」といったところか。監督は初めてのサッシャ・ギトリ。ロシア人。面白い趣向が凝らされている。まず主なスタッフの紹介を字面ではなく本人の映像でやっている。そして何よりこの詐欺師役を監督自身が演じているわけだ。

 話は解説によると「とあるカフェで、一人の男が半生を回想し執筆しながら語りはじめる。幼い頃に大家族と死別した「僕」は、プロの詐欺師となり……。S・ギトリが自作の小説『詐欺師の物語』を、自ら映画化し主演した作品。」と。

 最初の場面というか、設定がもう詐欺師・ペテン師っぽい。12人家族(これだけでも、エッっとなるが)である晩のご飯で11人が毒キノコを食べて一度に死んでしまうのだ。以後、親戚に引き取られて苦労をしていく。

 そしていよいよその家を抜け出し、働くことに。主にホテルのボーイとかエレベーターボーイ。そしてディーラーに。場所もモナコ王国へ。多くの女性と付き合い、結婚と離婚も。

 そして今、カフェでその半生の伝記を記しているところ、というのが映画の今。だからこれもよくある回想ものともいえるか。

 ディーラーで仕事をし、ペテン師で博打に買っていた時は、本当のその楽しみを知らなかったようだ。ある切っ掛け(戦友との再会)でそれを知ってしまうわけだが、その途端に勝てなくなる。ついに全財産をすってしまうことに。それが今である。

 風変わりな映画であった。妻役はジャクリーヌ・ドリュバック、撮影当時28歳くらい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?