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【こんな映画でした】703.[悪魔の美しさ]

2020年 9月19日 (土曜) [悪魔の美しさ](1949年 LA BEAUTE DU DIABLE フランス/イタリア 96分)

 ルネ・クレール監督作品。同様のものに[奥様は魔女]がある。なお邦題は原題の直訳と言っていいだろう。そも「悪魔」の「美しさ」とは何か? 作中、悪魔が若きファウストに成功した夢を見させるのだが、その幻想の美しさを言っているのかもしれない。

 ファウスト役はジェラール・フィリップ、なるほど男前だ。メフィスト役はミシェル・シモンで先だって[旅路の果て]で観たばかり。その時も思ったが、ここでも彼は演技過剰だ。やり過ぎだ。もっと素っ気なく演じた方が良いように私には思えた。もちろん監督の指示なのだろうが。

 ファウストを救うことになるジプシーの女性役は、ニコール・ベナールで撮影当時21歳。親しみやすい美人だ。

 お終いの方でメフィストに言わせている。「正義をかざす民は、悪魔より残酷だぞ」とか「やめてくれ、この世は地獄より残酷だ」、と。

 いずれにせよゲーテの『ファウスト』をはじめとして、もう少しその方面の知識がないと、この映画も理解できないのかもしれないと思った。

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