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【こんな映画でした】471.[父 パードレ・パドローネ]

2022年 8月 2日 (火曜) [父 パードレ・パドローネ](1977年 PADRE PADRONE FATHER AND MASTER MY FATHER MY MASTER イタリア 109分)

 パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ、いわゆるタヴィアーニ兄弟監督作品。ようやくDVDを入手できた。新品はおろか、レンタル落ちすらずっと出てこなかったのだ。だから異常な高値で売る店が出てくる。他にも同様の理由で手を出せない作品がある。もともとの理由は、新品の発売ロット数が少ないからだろう。そして最初の生産分が売り切れた後も、なかなか再発売しないからだ。このあたりは大いに問題である。本筋からは違う話ではあるが。

 主役の父親はこれまでにも観ているオメロ・アントヌッティ。何ともいえない味がある。息子は少年時代と青年時代で二人。前者はFabrizio Forte(撮影当時何歳かのデータなし)、後者はサヴェリオ・マルコーニ(撮影当時29歳)。

 結論から言って、父と息子の関係を描いたもの。ただここではイタリアのしかも田舎での話。これまで父と息子の関係を描く映画としては、アメリカ映画を多く観てきているが、この桎梏・葛藤は世界共通のものかもしれない。

 特に封建的なイタリアの田舎ということで、そこから脱出を図る息子にとっては命懸けともいえることのようだ。原作は実話というか伝記のようで、彼の場合は二十歳までの文盲という状況から、一躍、一念発起して何と言語学者になってしまうというもの。

 その彼に言葉を教えてやろうとする友人のアドバイスは、まず単語を覚えろということであった。それが近道なのかもしれないと私も思った。言葉の並べ方、つまり文法は分からなくても単語が分かれば話が通じる可能性がある。まずは単語ということか。

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