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【こんな映画でした】102.[奇術師フーディーニ ~妖しき幻想~]

2018年 4月26日 (木曜) [奇術師フーディーニ ~妖しき幻想~](2007年 DEATH DEFYING ACTS 96分 イギリス/オーストラリア)

 ジリアン・アームストロング監督作品。これが日本では未公開、というか世界的にも結構、公開されてないようだ。なぜかは分からないが、私は良い映画だと思う。

 主役ではないが、シアーシャ・ローナンが12歳くらいの少女で娘ベンジー役であり、可愛いとしか言いようがない。演技とナレーション。声も良い。母親のメアリー役はキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。名前だけは知っていた。グラマラスである。生年はケイト・ブランシェットと同じ。

 この映画もなかなか理解されにくいということで、日本未公開だったのかもしれない。簡単に言えば、マザコン並みに母親を愛し、母親から可愛がられていたハリー(ガイ・ピアース)の、母と息子の関係。

 母親の死の床に間に合わなかった悔いが、その後の彼の人生に暗い影を投げかけている。その転機となったのがこのメアリー母娘との出会い。メアリーは始めは賞金目当てで近づくが、だんだん惹かれていくことに。

 最終的に、メアリーはハリーを愛する故にいかさまの心霊術を放棄。それを予測していたのか、はたまた真実かもしれないが、娘ベンジーがすぐさま憑依して、亡きハリーの母親と交信し、その最後の言葉を口にする。

 これを母親メアリーはベンジーへの演技・いかさまだと思っていたようだが、ベンジーは特別な力がその頃にはあった、と言わせているのであるが。事実は分からない。ただ私はこれを単純にいかさま・狂言だとは思わない。母メアリーのハリーに対する愛情や、ベンジー自身のハリーに対する好感・親密な感情から発した愛情だと解したい。

 それはハリーの長年の心のわだかまりを氷解させることになったのだと思う。もちろんハリーは、本当のところを分かっていたのかもしれないが、それ以上に彼女たちの愛を受け入れたということであろう。

 ということで結構、良い映画だと私は思った。ハリーの結末こそ悲劇的ではあるが、しかし精神的には満足していたのではないか。あと母娘がこの後どのように生きていくか、とかもあるが、それはもうこの映画の扱う範囲ではない。なおこのハリーというのは実在の人物であったとのこと。

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