【こんな映画でした】961.[1900年]
2023年11月21日(火曜) [1900年](1976年 NOVECENTO 1900 NINETEEN HUNDRED イタリア/フランス/西ドイツ 316分)
ベルナルド・ベルトリッチ監督作品。何とも悲惨なヨーロッパ史というか、イタリア史である。特にファシストに対する憎しみは強烈なようだ。たしかに彼らがやったことを見れば、それは無理もないということになる。オルモに最後の方で言わせているが、地主階級が彼らの利益のためにファシストを養ったということだ。
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1901年の同月同日に生まれた男の子ふたりを主人公にして、この時代の動きを描いていく。オープニングシーンからして、その自然の美しさにうっとりさせられる。しかし、歴史は悲惨であった。
黒シャツ隊といわれたファシストたちが、地主階級の手足(暴力装置)となって幅をきかしている。そのため日雇いの人は言うまでもなく、小作人たちも苦労を強いられている。圧倒的な搾取!
そんな中で地主の息子(アルフレード)と、小作人の息子(オルモ)とが親友となり、1970年台の半ばまでそれぞれの立場で生きていく。ただラストシーンは、子どもの頃にやった肝試しでアルフレードは死んでいくのかもしれない。
ドイツ軍の敗走とともに黒シャツ隊もリンチを受け、人々は勝利に酔うまもなく、中央から武器を没収するとの指令が来る。人々は不満の意思表示をするが、オルモが何とか皆をなだめてそれに応じる。すでに将来の先行きに不安があることを示唆しているようなシーンであった。
ともかく長い。あるいはどうしてこんなシーンを長々とやるのかと思えるようなところもあった。一回観ただけでは手に負えないと言うところだ。