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【こんな映画でした】297.[イングリッシュ・ペイシェント]

2021年 4月26日 (月曜) [イングリッシュ・ペイシェント](1996年 THE ENGLISH PATIENT アメリカ 162分)

 アンソニー・ミンゲラ監督作品。何と言っても魅力的なのはキャサリン役のクリスティン・スコット・トーマス、撮影当時35歳。[モンタナの風に抱かれて](1998)・[ルパン](2004)と観ている。

 主役の「イングリッシュ・ペイシェント」(イギリス人の患者)アルマシーは、レイフ・ファインズ、撮影当時32歳。火傷を負ったメイクはなかなか凄まじい。看護婦ハナ役にジュリエット・ビノシュ、撮影当時31歳。もうおなじみの顔だ。美人というのではないが、親しみやすい。

 第二次世界大戦を目前にした頃、イギリスの王立地理学会の会員でエジプトなどで飛行機から写真を撮るということをしていたクリフトンとその妻キャサリン。その夫婦と出会うのがアルマシー。この出会いが運命的なものとなり、愛しあうことに。

 オープニングシーンは、二人乗りの軽飛行機が撃ち落とされるところ。前の座席にはキャサリン。ラストまで観ることで、このシーンの意味が分かることになる。実態とは別に美しい砂漠を背景にして。

 映画はフラッシュバックの繰り返しとなる。つまり火傷を負ったアルマシーとそれを看護するハナとのシーン。そして回想として戦争の始まる前のクリフトンとアルマシーとの出会いなどを。

 その切り替えが分かりよく作られていて、なぜ今このようなことになっているのかが徐々に分かることに。上手い編集だ。編集といえば、アルマシーとキャサリンのラブシーンも美しい。

 この映画のキャッチフレーズだったらしいが、セリフにある「地図のない世界」というのは、国境のない、つまり国家というもののない世界のことだろう。人類の永遠の願望であるかもしれない。もちろん実現することは、それこそ永遠にないのだが。

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