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【こんな映画でした】475.[ギャルソン!]

2022年10月20日 (木曜) [ギャルソン!](1983年 GARCON! フランス 102分)

 クロード・ソーテ監督作品。イヴ・モンタン(アレックス役、撮影当時61歳)主演。相手役女優にニコール・ガルシア(撮影当時37歳、1981年の[愛と哀しみのボレロ]に出ていたようだ)。離婚した初老の男の人生を描く。原題通り仕事は給仕長ということで。

 アレックスは、元妻とも努力したが仕事が上手くいかず、借金だけが残されて20年前に離婚するという半生を送ってきたようだ。ようやく今日で借金を払い終えるというシーンがあった。もう懲りたのか再婚はせずに(できずに)独身生活を楽しんでいるようである。いや、もう女性を愛せなくなってしまったのかもしれない。だから気軽な恋愛を楽しんでいるのかも。そのように見受けられる。実際の心理は分からないが。哀感が漂っている。

 撮り方としては、シーンの切り替えが素早いという印象。レストランでの料理をサーブするシーンの撮り方もなかなかスピーディーかつスムーズ。

 やはりフランス映画と言うべきか。単純なB級恋愛映画にはなっていない。細かく見ていけば、いろいろと考えさせられることもあるようだ。アレックスを単純なプレイボーイとみるのは間違っているだろう。女性の側もそれぞれの状況の中でアレックスのような存在、つまり年がいっていて安心感のある頼れる人間として見ているようだ。

 だからそれは本当の対等の愛情関係とは言い難いので、それに気が付くとその関係は終わることになる。アレックスはまた一人残されることに。それはアレックスも最初から分かっていることなのだ。おそらくこの先も独身で、孤独の中に彼は生きていくことになるのではないか。

 とまれフランス映画は男女間の愛情についての描き方が独特と言えようか。いろいろと考えさせられるところだ。小粋なシャレた映画だろう。

 全体では、夫婦は5組登場(アレックス自身・グロリア・クレール・ジルベール・ジャネットの各夫婦)している。アレックスが関係する女性も元妻をいれて5人(元妻・グロリア・コリーヌ・取引先の女性・クレール)。その人たちのエピソードを交えながらの内容となっている。

 長年連れ添った夫婦については、アレックスを含め三組が離婚することになるようだ。一組は夫が病弱で常に妻が側にいないと機嫌が悪い。最後は持病の薬を妻が買いに行っている間に亡くなってしまうことに。

 今作はようやく手に入れた中古のDVDだが、やはり画質がイマイチだ。何とかブルーレイディスクで出てこないものかと思う。

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