見出し画像

【こんな映画でした】69.[アラバマ物語]

2019年11月27日 (水曜) [アラバマ物語](1962年 TO KILL A MOCKINGBIRD アメリカ 129分)

 こんな話だったのか、というのがまず最初の感想。それにしても「たるい」邦題だ。内容はまさに「モッキンバードを殺すこと」。マネシツグミと訳される鳥。人間に害を与えない鳥、と映画の中で説明している。そのような害のない人を殺すこと・殺してしまう社会の怖さを見事に描いている。また陪審員裁判の可否・黒人差別の問題などアメリカの社会問題を剔出している。

 とまれまずは、シリアスな内容に対して能天気な邦題である。もちろん逆説的にしていると言えなくもないが。監督はロバート・マリガン。過去に[おもいでの夏](1970年)を観ている。主演はグレゴリー・ペックだが、何といっても子役がいい。女の子・スカウトはメアリー・パダム、撮影当時9歳くらいか。見事なものだ。兄のジェフ役はフィリップ・アルフォード、撮影当時13歳くらいか。二人とも設定の年齢よりは年上であった。でないとあの演技は無理だったろう。

 舞台はアメリカ合衆国南部のアラバマ州、1932年のこと。世界大恐慌の不景気な時代。黒人差別の凄さは想像できるものではない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?