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【こんな映画でした】183.[グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版]

2021年 5月 6日 (木曜) [グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版](1988年 LE GRAND BLEU: VERSION LONGUE フランス/イタリア 167分)

 リュック・ベッソン監督作品。ジャック・マイヨールと出会ったことが切っ掛けで作られた映画とのこと。だから基本的には映画は映画(という創作)であって、実際のジャック・マイヨールの人生を描いたものではないようだ。記録一つ取っても「105メートル」を達成したのは、映画とは違い実年齢55歳のときのこと(1983年)。

 映画のラストシーンは私の読み違えでなければ、映画でのジャック・マイヨールは海の中でイルカを求めて自死するようだ。彼女ジュリアンナに赤ちゃんができたと聞いて、その直後に。ま、これは映画的な創作ということになる。

 それにしても山に憧れる人間は、ついに山で死に、海に憧れる人間は、ついに海で死ぬ。ある程度の域を超えるとそのようになってしまうものかもしれない。つまり凡人の及ぶ範囲ではないということだ。幸不幸は別として。*
 結局、人間は山でも海でも、そこで生きることはできない動物なのだ。海はイルカをはじめとした魚たちの世界なのだ。山はあいにくその極寒ゆえに(雪男以外は?)何ものも住み得ない空間なのだ。たとえ憧れはあっても、それを現実化することは不可能なのだ。

 もしそれを実現しようとしたら、そこには「死」しかないだろう。今作でも二人のダイバーはともに亡くなっている。やや悲観的な見方をしてしまうのは、私が泳げない・潜れない、つまり海とはフレンドリーではないからだろう。それは致し方ないことだ。それでも海のブルーの美しさは分かる。それに虜になるほどではないが。そこが彼らと違うところなのだが。

 なお本当のジャック・マイヨールは鬱病で最後は、2001年74歳で自死しているとのこと。

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